モリサワデザインフォーラム
東京2020 オリンピック・パラリンピックの エンブレムとピクトグラムのデザイン

2019年10月2日、株式会社モリサワは、東京2020公認プログラムとして「モリサワデザインフォーラム〜東京2020 オリンピック・パラリンピックのエンブレムとピクトグラムのデザイン〜」をベルサール神保町アネックスにて開催した。

「(個と群と律)組市松紋の仕組み」

前半は「東京2020エンブレム」制作者の美術家・野老朝雄氏からお話を伺った。野老氏がエンブレムに採用した組市松紋には、組み合わせ方に厳密な「ルール=律」が定められている。「律」によって「個」だった各パーツが関連づけられ「群」となっていくという、自身の制作における考え方が語られた。

「東京2020エンブレム」は3種類の四角形で構成されている。オリンピック、パラリンピックいずれもパーツ数は同じであり、各パーツを組み替えていけばそれぞれの形に作り変えることができる。また、エンブレムに用いられている藍色は日本の伝統色だ。伝統文化への賞賛と人々がつながり合う素晴らしさを引き出した組市松紋は「多様性」「平等、イコール」といった大会の精神にも通じている。

第27回モリサワ文字文化フォーラム[個と群と律]組市松紋の仕組み

「デザインからデザインまで」

後半は「東京2020スポーツピクトグラム」制作者のグラフィックデザイナー・廣村正彰氏からお話を伺った。

東京2020のピクトグラムは、近代オリンピック史上初めて考案されたという1964年の東京オリンピックのものを踏襲して作られた。膨大な数の写真・映像資料と競技団体からのフィードバックを基に構成された各デザインは、各競技の最も特徴的な部分が見えてくるようになっている。身体の一部のみなのかあるいは全身を描くのか、ウエアも表現するのか、筋肉をどこまで描ききるのか。競技によって試行錯誤を繰り返した制作状況を語っていただいた。誰が見てもわかるシンプルで洗練されたピクトグラムには、先人へのリスペクト、各競技への理解、アスリートへの賞賛、あらゆる想いが込められているのだ。

対談、質疑応答を終えて

終盤の野老氏と廣村氏の対談は、1964年大会のデザインを改めて振り返りながら、各国の大会デザイン、現代のデザインプロセスなど話題は多岐にわたり、最後は聴講者からの質問にもあたたかくお答え頂いた。

約4時間に及んだ本イベントは、日本中が一丸となって大会へ臨む興奮をデザインの立場から再認識できるような、大変貴重な機会となった。