相模原市 様
市民に対して
「正確に伝える」「正確に伝わる」
情報発信
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SDGs・DX推進担当 理事
網本 淳 様
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総合政策部 政策課 SDGs推進室 室長
丸小野 美紀 様
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総合政策部 政策課 SDGs推進室 副主幹
榎本 幸二 様
相模原市は、内閣府より2020年度「SDGs未来都市」に選定されました。SDGs未来都市は、経済・社会・環境の三側面の統合的取組みにより、新たな価値を創造する提案を行った自治体が選定されるもので、相模原市のSDGs推進の取組みと、発展を続ける都市部と雄大な自然の調和や共生社会の推進などが評価されました。現在、相模原市の運営するWebサイト「SDGs one by one」は月間30万PVを超え、モリサワも参画している「さがみはらSDGsパートナー」の登録団体も432団体になりました。(2021年10月現在)
相模原市のSDGsの取組みにおいて、モリサワ製品が役立っていること、その効果についてお話を聞きました。
課題
・市民に対して「正確に伝える」「正確に伝わる」情報発信
情報を伝えるにあたって直接声で伝えることが理想ですが、72万人の市民を擁する相模原市においては、文字で情報を伝えることが多くなります。特に行政の発信する情報において「正確に伝える」「正確に伝わる」ということが課題です
導入製品
TypeSquare
導入サイト:SDGs one by one
PCやモバイル端末などで閲覧する側に指定されたフォントが搭載されていなくても、制作側で指定した書体を美しく表示することができます 充実した書体ラインナップからお好きなフォントをお選びいただけます
TypeSquare:詳細はこちら
目的
相模原市の目指す「誰一人取り残さない社会」の実現のため、Webサイトの見やすさ、読みやすさの向上。
相模原市のSDGs推進の背景
相模原市の進めてきた市政運営とSDGsの理念である「持続可能で誰一人取り残さない社会の実現」は、障害の有無などにかかわらず、あらゆるひとびとがお互いを支え合う「共にささえあい生きる社会」の実践でもあり、市の目指す社会のあるべき姿と完全に一致するものでした。貧困対策、医療政策、子育て支援、教育、雇用の確保、産業支援、環境保全など、市が進めるすべての施策は、SDGsの掲げるいずれかの目標に繋がっており、SDGsによってこれらの施策がわかりやすく可視化されたと思います。また、SDGsは、経済・社会・環境の調和と、複数課題の統合的な解決が求められている中で、本市において経済関係・福祉関係・環境関係の部署など、庁内連携の強化にも繋がることを期待しています。本市では、SDGsの本部会議や推進室の設置に加え、全ての施策にSDGsを紐づけており、そういった活動全般が評価され、内閣府によって2020年度SDGs未来都市として相模原市が選定されました。
SDGsの普及啓発
SDGsの取組みを推進するにあたってSDGsを知っていることは大前提ですので、普及啓発には特に力を入れています。普及啓発のポイントは「わかりやすさ」にあると考えています。アルファベットにわかりにくさを感じる人もいますし、「サスティナブル ディベロップメント ゴールズ」とカタカナにしても、なかなか伝わりません。「持続可能な開発目標」と日本語に訳しても、意味がわかりにくい部分があると感じています。
SDGs達成のためには、一部の意識の高い人だけが取り組むのではなく、誰もが主役となって取り組む必要があります。みなさんに自分ごと化していただくために、Webサイト「SDGs one by one」の運営を開始し、オリジナルキャラクターによる掛け合いなどを取り入れ、現在では多くの方に閲覧いただけるようになりました。他にも子どもたちが、わかりやすく、楽しくSDGsを学ぶことができるように、本市オリジナルのカードゲームを制作しました。現在、多くの小中学校でカードゲームを使ったSDGsの授業を実施しており、大変好評をいただいています。
相模原市のSDGsの取組み
市政運営は、市が単独で取り組むだけではなく、市民や企業・団体と目指すべき未来を共有することが重要であり、そのためにSDGsを共通のキーワードとして、SDGs目標17にあるように多くのパートナーシップが生まれることを期待しています。このことから2020年8月に「さがみはらSDGsパートナー制度」を立ち上げ、現在では432の企業や団体にご登録いただいています。実際に本市とパートナーの連携、パートナー同士の連携も生まれています。
また、昨今気候変動の影響が顕著となっており、本市においても集中豪雨による甚大な被害が発生したことなどから、2020年9月には政令指定都市として初の気候非常事態宣言となる「さがみはら気候非常事態宣言」を表明しました。この宣言に基づき、温室効果ガスの排出抑制や、市域の約6割を占める森林の保全、災害に強いまちづくりなど、持続可能な社会の実現に向けて、全市一丸となって取り組んでいます。
「UDフォントに変更したら、本当に読みやすくなってびっくりした」
相模原市には72万人の市民がいますので、どうしても情報を文字で伝える機会が多くなります。UDフォントは読み間違いが少ないことに加え、視覚機能が弱い方でも読みやすいフォントとしての効果があります。文字の誤認が、場合によっては市民に不利益を与えることもありますので、誰もが読みやすいフォントを使用することで情報が正しく伝わり、本市の目指す「誰一人取り残さない社会」の実現に大きく寄与します。行政が発信する情報は正確に伝えることが重要なので、誰もが読みやすく、情報の質を向上できることに大変意義があります。
本市の広報紙「広報さがみはら」では、平成25年8月15日号よりUDフォントを採用しています。また、この2021年よりSDGs推進室が運営するWebサイトの「SDGs one by one」にUDフォントを採用しました。実際にUDフォントに変更したら、本当に読みやすくなりびっくりしました。ぜひ多くの方にUDフォントの存在を知ってほしいです。多くの方に読まれる媒体であればあるほど、その情報が正しく伝わることが重要です。自治体では、福祉や教育など各部局から住民の方に向けた情報を紙やWebで発信しています。それらのさまざまな情報に、ゆくゆくはUDフォントを取り入れていければと考えています。
また、「誰一人取り残さない」情報発信という観点で親和性のある、モリサワ様のツール「MCCatalog+」では、多言語・音声読上げでも情報発信できるということで、広報紙や教育委員会の一部媒体でも利用しています。活用できるシーンは庁舎内の発行物を見渡してもまだたくさんありますので、全庁利用を進めるべく職員内の情報共有が必要だろうと考えております。
職員のスキルアップに一緒に取り組んでほしい
今後モリサワ様に期待することは、どれだけ優れたツールでも上手く使わなければ効果を得ることができないので、UDフォントを使った効果的な告知文書やチラシの作成、情報配信の方法など、製品を使う側の職員のスキルアップに一緒に取り組んでほしいと考えています。
そして、モリサワ様が取り組まれている障害者スポーツ支援やパラスポーツ支援にも大変共感しております。今後、本市のSDGsパートナーとして、共生社会の実現のためのパートナーシップを発揮できることも期待しています。