フォント用語集

ページメニュー

ビットマップフォント


ビットマップフォントは、各文字をピクセルのオン・オフで表現するフォント形式です。

これは、コンピュータの初期から広く使われてきた技術で、ドット(点)の集合で文字の形を表現するため、ドットフォントとも呼ばれます。各文字が固定されたサイズのグリッドに描かれるため、レンダリングエンジンを必要とせず、非常に高速で表示でき、データ量が少ないのが特徴です。この特性により、低解像度のスクリーンに最適で、1990年代までの多くのコンピューターではビットマップフォントが用いられていました。また、データがあらかじめ固定されているため、常に一定の品質で表示され、エラーが起こりにくいという利点があります。

しかし、ビットマップフォントはアウトラインフォントと異なり、拡大や縮小に適していません。アウトラインフォントは、ベクター形式で文字を定義するため、どのサイズでも鮮明に表示でき、多様なデザイン表現が可能です。

そのため、現代の高解像度スクリーンや印刷ではアウトラインフォントが主流です。現在、ビットマップフォントは、リモコンや万歩計、電光掲示板などの低解像度機器や、高速で安定した表示が求められる工業用の監視装置で多く使用されています。このように、ビットマップフォントは特定の用途で今も重要な役割を果たしています。