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明朝体


「明朝体」の源流は、中国の宋の時代(10世紀)に盛んになった木版印刷で使われた書体で、毛筆の楷書体を模していました。例えば、横画の右端にある「うろこ」と呼ばれるアクセントや、一つの画の中での微妙な太さの差などにその名残りを見ることができます。 現在の明朝書体は、明治の初めに日本にもたらされた金属活字を基礎に改良が続けられてきたもので、さまざまな表情を持った明朝体が製品化されています。

明朝体の特徴に、縦画が太く横画が細いことがあります。画数が多い漢字を小さめに使っても黒くつぶれてしまいにくく、縦書きを基本とする言語の組版では、縦画が視線を導いてくれる効果もあります。

明朝体のかなは、筆書のスタイルをもとにデザインされています。 かなのデザインも書体によってさまざまです。 筆の動きが明らかに見える曲線の表現は、漢字以上にその書体の表情をよく表わしているといえます。

明朝体は、組版の中心的な役割を担う長文など本文組みに多く用いられます。 より実用的に幅広く利用できるように、専用の「かな書体(別がな)」も作られています。 図:左から/リュウミン、リュウミン大がな(KL)、リュウミン小がな(KS)、リュウミンオールドがな(KO)