ラインナップ
UD学参丸ゴシック R
UD学参丸ゴシック B
UD学参丸ゴシック H
UD学参丸ゴシックとは
「UD学参丸ゴシック」は、教科書・教材のために開発された丸ゴシック体です。全ての和文の文字が文部科学省の学習指導要領の字形に準拠(学参化)しているため、「UDデジタル教科書体」と並んで、読み書きに困難さのある児童・生徒を含む多くの子どもたちの学習を助ける書体です。子どもたちの発達段階や使用目的などに合わせて、「BIZ UDゴシック」「UDデジタル教科書体」など他のUDフォントと併用したり、使い分けていただくことが可能です。
学参化することで、視覚的に筆画がわかりやすいデザインにしています
読みやすさのエビデンス
「UD学参丸ゴシック」のベースとなった書体は、「TBUD丸ゴシック」です。 全国の視覚障害特別支援学校(盲学校)高等部18校の協力を得て、ロービジョン生徒90名を対象に面接調査を実施。 「中野泰志・新井哲也(2012). 弱視生徒用拡大教科書に適したフォントの分析 ロービジョン学会誌, 第12巻, 81-88.」 より引用
「TBUD丸ゴシック」は慶應義塾大学 中野泰志教授の協力を得て開発したTBUD書体シリーズで、ロービジョン(弱視)の検証でも高い評価を得ています。
「UD学参丸ゴシック」は教科書・教材制作でも利用される書体です。
全国盲学校調査
「TBUD丸ゴシック」より3ウエイト(R・B・H)を選び、 文字種や、等幅・P付・K付の構成などWindowsに搭載されている「UDデジタル教科書体」と同じ仕様のフォントとしてリリースします。デザインやウエイト(書体の黒み)は、「TBUDゴシック」ベースで、Office 製品に最適化した「BIZ UDゴシック」とも親和性があります。
「UD学参丸ゴシック」のフォントフォーマットはTrueTypeフォントです。
TBUD丸ゴシックをベースに開発した学参書体として、OpenTypeフォントでは「TBUD学参丸ゴシック」を提供しています。
UDデジタル教科書体との違い
和文について
「UD学参丸ゴシック」の和文は、ひと文字ひと文字が大きく見えるように作られており、お年寄りやロービジョンの方の読み間違いが少なくなるよう、細かな工夫が施されています。ロービジョンの検証でも評価が高いフォントです。
「UDデジタル教科書体」の和文は、初めて文字を学習する方向けに手書きの形状を重視し、書写のルールに沿って、書き順もわかりやすくデザインされています。手書き形状のためやや小ぶりに見えますが、文字と文字の間が適度に広く、ディスレクシア(読み書き障害)を含め、眼疾患がなく読み書きに困難さを抱える方からの評価が高いフォントです。
※ いずれも同じ文字サイズです
英数字について
「UD学参丸ゴシック」の英数字は、ロービジョンの方へのヒアリングから読み間違えにくいことに焦点を当てた丸ゴシックの形状が優先されています。学校で習う形状とは異なりますが、「1」と「l(小文字エル)」や、「a」と「o」、「W」と「VV」などの読み間違いを減らす工夫が施されています。グラフや表組みの数字表記などにも適しています。
「UDデジタル教科書体」の英数字は、開発当時(2016年)の小中学校で習う形状に沿って作られており、数字の「1」は鍵なしの形状です。英字は「Ball & Stick体」と呼ばれる形状なので、ラインナップの欧文シリーズと合わせてのご利用をおすすめしています。
※ いずれも同じ文字サイズです
UD学参丸ゴシックに関するアンケート調査
福岡教育大学にて、学生約273名を対象としたアンケート調査を実施いただきました。
その結果、4割以上の学生が「UD学参丸ゴシック」が、最もアルファベットと数字の形がはっきりわかると回答しました。
出典:福岡教育大学 岩﨑 千恵 氏
開発者のコメント
フォント活用の実例紹介
教育現場で活躍されている方々が、実際に「UD学参丸ゴシック」を活用いただいた事例をご紹介します。
特別支援教育や外国人留学生に対する情報など、幅広い分野で活用いただいています。
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Office製品で使いたい
Word, Excel, PowerPointなど
対象者 | プラン |
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個人 | |
企業 | |
教育機関 | |
公共団体 |
高田裕美(たかたゆみ)
「BIZ UD明朝/ゴシック」「UDデジタル教科書体」の開発に従事。現在は32年間の書体デザイナーの経験を活かし、書体の重要性や使い方を普及すべく、講演、取材、執筆など広く活動中。
「UDデジタル教科書体」は、昨今の教育市場において広く話題となり、多くのメディアに取り上げられていますが、UDフォントにも明朝・ゴシックなど色々な種類があり、子どもたちにとって読みやすい書体は「UDデジタル教科書体」一択ではありません。今回、学校現場でも使用しやすい仕様で、学習指導要領に準拠した新しいバリエーションが増えたことで、モリサワが目指すユニバーサルデザイン、つまり「対象者や目的によって様々な選択肢が用意された環境」を実現する上でも、広く貢献できるのではと思います。
例えば、ロービジョンの子どもを対象に、文字を取得する段階では、「UDデジタル教科書体」を大きく表示し、書き順や手書きの形状を学習してもらい、文字を取得した後は、ひと文字ひと文字が大きく表示できる「UD学参丸ゴシック」で、対象者の読みやすい大きさで文章を表示し読みやすくすることも可能になります。