モリサワ文字文化フォーラム

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開催概要

第12回 - 文字とデザイン Vol.4

第12回目を迎えるモリサワ文字文化フォーラムでは、「文字とデザイン Vol.4」と題して3つのセッションで構成いたします。まずセッション1では、グラフィックデザイナーの杉崎真之助氏による「やわらかいタイポグラフィ」。続いてセッション2では、タイプデザイナーの鳥海修氏による「私の活字(書体)の作り方・考え方」。セッション3では、タイプデザイナーのサイラス・ハイスミス氏による「Inside Paragraphs 欧文タイポグラフィの基本」と、各分野を代表される方々によるセッションをご用意しました。

おかげさまをもちまして、満席、盛会裏に終えることができました。
ありがとうございました。

講師

杉崎真之助 氏(グラフィックデザイナー)
鳥海 修 氏(タイプデザイナー)
サイラス・ハイスミス 氏(タイプデザイナー)

日時

2014年年1月24日(金) 13時30分-17時(開場13時)

場所

モリサワ本社4F 大ホール
大阪府大阪市浪速区敷津東2-6-25

参加費

無料

定員

150名

組織

主催/株式会社モリサワ
後援/社団法人 日本グラフィックデザイナー協会

プログラム

13:30-14:30 セッション1 杉崎真之助:「やわらかいタイポグラフィ」

グラフィックデザイナーにとって文字はとても大事な要素です。文字は意味と音と形でできている。ことばが形になったのが文字、文字に声の個性を与えるのが書体、書体のしゃべり方の表現が文字組。タイポグラフィって深い。
日本語を使う人には当たり前すぎることだけど、日本語は意味をあらわす漢字と音を示す仮名でできている合成言語といえる。整理整頓しきれないこの不思議な関係もおもしろい。
タイポグラフィを、文字を組むことから要素を組むこと、さらに情報やコミュニケーションを組むことと捉えてみる。そんなことを考えながらコミュニケーションデザインの話ができると楽しいです。

杉崎真之助(すぎさきしんのすけ)氏のプロフィール

デザインを、感動を創造するために情報を構築するプロセスと捉え、明快で良質なコミュニケーションの実現をめざす。一貫したデザイン理念で文化関連から企業のブランディング、空間計画まで、幅広く活動。新しい試みを精力的に発表し、ドイツ、中国、香港、台湾をはじめ、国内外の美術館、大学で多くの展覧会や講演を行う。
ニューヨークADC特別賞、ニューヨークTDC優秀賞、HKDAアジアデザインアワード銀賞、台湾国際グラフィックデザイン銀・銅賞、日本タイポグラフ年鑑ベストワーク賞、グッドデザイン賞の他、国際コンクールで数々の賞を獲得。作品はハンブルク美術工芸博物館など、ヨーロッパ、北米、アジアなどで数多くコレクションされている。作品集に Impression Architecture(印象の構造)他がある。
SHINNOSKE DESIGN代表、大阪芸術大学デザイン学科教授、国際グラフィックデザイナー連盟(AGI)会員。

14:45-15:45 セッション2 鳥海 修:「私の活字(書体)の作り方・考え方」

新しい書体はどのようにして生まれるのだろうか?
あらゆる場面に適合する書体があるように、どの個人にもそのひと固有の書体があると考えます。
ヒラギノシリーズ、游書体ライブラリー、嵯峨本フォント、5年の間に精華大学の学生が授業で作った書体など、私が今までに携わってきた書体をもとに、書体作りの動機、考え方、作り方などをについてお話ししたいと思います。
これをきっかけに多くの人たちがタイプデザインに挑戦してもらえれば、とてもうれしいことです。

鳥海 修(とりのうみおさむ)氏のプロフィール

1955年山形県生まれ。多摩美術大学GD科卒業。1979年株式会社写研入社。1989年に有限会社字游工房を鈴木勉、片田啓一の3名で設立。現在、同社代表取締役であり書体設計士。大日本スクリーン製造株式会社 のヒラギノシリーズ、こぶりなゴシックなどを委託制作。一方で自社ブランドとして游書体ライブラリーの游明朝体、游ゴシック体など、ベーシック書体を中心に100書体以上の書体開発に携わる。2002年に第一回佐藤敬之輔顕彰、ヒラギノシリーズで2005年グッドデザイン賞、 2008東京TDC タイプデザイン賞を受賞。京都精華大学特任教授。

16:00-17:00 セッション3 サイラス・ハイスミス:「Inside Paragraphs 欧文タイポグラフィの基本」

タイポグラフィは、印刷物で文章を段落に組むところからはじまりました。以来、印刷とはかけ離れた場面でも多く気にされるようになりましたが、タイポグラフィをしっかり学ぶうえでは、印刷物の段落の中で何が起きているかを知ることが、今も強固な基盤となっています。このことを念頭に、私は「Inside Paragraphs: Typographic Fundamentals(欧文タイポグラフィの基本)」を書きました。文字がどう機能し、私たちはどう読んでいるかということにも触れながら、段落では何が起きているのか、文字を扱う人が段落にある空白や余白にどう対処しているかといったことについて解説しています。このフォーラムでは、本書のねらいや背景についてお話ししたいと思います。

サイラス・ハイスミス氏のプロフィール

1997年ロードアイランド・スクール・オブ・デザイン(RISD)を卒業、フォントビューロー社入社。上級デザイナーとして新しいタイプ・シリーズの開発に関わる。RISDでタイポグラフィーを教える傍ら米国、メキシコ、ヨーロッパで講演やワークショップを展開。2001年、『プリント』誌のニュービジュアルアーティスト・レビューに特集される。Prensa と Relay が国際タイプデザイン・コンペティションの Bukva:Raz で受賞。米国やヨーロッパで作品展を行っている。
雑誌『マーサ・スチュアート・リビング』、『ザ・ソース』、『メンズヘルス』、『プレイボーイ』(スペイン語版)、『ローリングストーン』、『モントリオール・ガゼット』(カナダ)、『ザ・サンデイ・インディペンデント』(ロンドン)に彼の書体が特集される。『ラ・プレンサ・グラフィカ』(エルサルバドル)、『エル・ユニバーサル』(メキシコシティ)の書体をデザイン。2002年、ウォールストリートジャーナル紙の新しいヘッドライン・シリーズを制作、社の伝統的な文字に複雑な現代のニーズを見事に組み合わせたと高く評価された。
仕事の領域は多岐にわたるが、何よりも製図工であることに誇りを持つ。製図はライフワークとして情熱を傾け、エネルギッシュなイラスト的アプローチと文字によるコミュニケーションをうまく組み合わせ、独自のデザイン書体を広げている。ウェディング招待状のカリグラフィと産業向けの力強いサンセリフ文字デザインの全くかけ離れた領域の仕事を軽々とこなす。

このフォーラムは終了いたしました。

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