邦文写真植字機

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邦文写真植字機

1924年7月24日に弊社創業者森澤信夫が邦文写真植字機の特許を出願し、石井茂吉氏とともに研究・開発を進めた世界初の邦文写真植字機が世に知られることとなりました。
写真植字機の発明はその後の印刷工程に大きな変革を起こし、オフセット印刷の普及によりその活躍の場を確固たるものとし、またその自由度からデザインの広がりにもさまざまな場面で貢献することになりました。
ここでは写真植字機発明から現在のモリサワにいたる変遷や写真植字機の構造をご紹介します。

邦文写真植字機HISTORY

Season1
手動写真植字機の誕生

Season2
電算写真植字機の果たした役割

Season3
時代はDTP、そしてクラウドへ

写真植字機の構造

1写真植字機の機構図

MC6型の機構図
MC6型の機構図

写真植字機は、従来の活版印刷に代わる新しい印刷技術を導入した装置です。その原理は、光学写真の技術を応用して文字を印字し、組版を行います。
従来の活版印刷では、大量の活字を用意し、それらを収納するための広いスペースが必要でした。しかし、写真植字機は光源からの光を文字盤に通し、それをレンズで拡大縮小し、最終的に印画紙やフィルムに焼き付ける方式のため、広いスペースを必要としないコンパクトで画期的な装置です。

2文字盤

見出しゴMB101の文字盤
見出しゴMB101の文字盤

文字を採字するうえで重要な文字盤の文字の配列は「一寸ノ巾(いっすんのはば)」とよばれる方式が採用されました。この配列は、すべての漢字を51の基本部首(大見出し)から、169 の部首(小見出し)へと分類され、合わせて220の部首に分類することで、漢字の読みが分からなくても目的の漢字を素早く見つけられるようにした便利な配列として支持されました。

3レンズ

主レンズ、拡大レンズ
主レンズ、拡大レンズ

レンズはマガジンから垂直におろされた円筒に装着されています。
主レンズ、拡大レンズ、変型レンズの三種が用意され、文字の大きさを決める主レンズは複数取り付けられるようになりました。
シャッターも耐久性が必要なため独自に設計されました。

変形レンズ
変形レンズ
変形レンズ説明図
変形レンズ説明図

かまぼこ板型レンズと呼ばれるかもぼこの断面に似た半円型レンズの角度を変えることによって文字を変型できます。「果」の文字を囲んでいる枠が仮想ボディです。

4マガジン(暗箱)

マガジン
マガジン
ドラムに印画紙を巻いて装填
ドラムに印画紙を巻いて装填

レンズを通ってきた光はマガジンの中にある印画紙に焼き付けられました。円筒形のドラムに印画紙(フィルム)を巻いて暗箱に収納します。印画紙の装填作業は暗室内で行われました。
マガジンが取り外しできるようになったのはMC-5型からです。従来までは、印画紙、フィルムなど感光物を着脱する際は、ドラム部分を黒布で遮光して行っていました。外部装填マガジンにより、その作業は暗室で行うことができました。また、複数のマガジンを用意して大量の印字物にも効率よく対応できるようになりました。

5ラチェット

左:横組み用、右:縦組み用とそれぞれ独立した操作ハンドル(MC6)
左:横組み用、右:縦組み用とそれぞれ独立した操作ハンドル(MC6)

植字(組版)するためには印字位置を移動させなければなりません。そのための機械的な駆動部分として、ラチェット(爪車=のこぎり歯状の歯車)を利用して、印字ごとに全角分印画紙を送るしくみがつくられました。
開発の段階においてメートル法を採用しており、字送りや行送りを示す「歯(=0.25mm)」という単位の名称はこのしくみから来ています。