Userʼs Voice - オンデマンドプリンティングシステム

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株式会社みどり

Web to Printは、
今後の印刷業務を劇的に
変えていく可能性を秘めています

株式会社みどり
  • Space-i事業部 所長

    吉川 辰雄 氏

  • Space-i事業部 Webプランナー

    萩原 佑香 氏

「オンデマンド印刷とWeb to Printは切っても切れない関係になる」 そう熱く語っていただいた株式会社みどりの今後のWeb to Print 展開とオンデマンドビジネスについて話を聞いた。

株式会社みどりは、1969年(昭和44年)みどり写植として創立し、1981年に株式会社みどりを創業された。当初は手動写植機、電算写植機を中心に営業されていたが、DTP時代の到来とともに、データベースを活用したバッチ組版系のお仕事に力を注ぎ、現在は、インターネットを中核としたネット経由の情報処理を得意としたデザイン・印刷・Web制作のお仕事をされている。
株式会社みどり Space-i事業部 吉川辰雄所長に今後の展開とオンデマンド印刷の可能性を伺った。

デザインDTP部門とWeb部門の相互展開

弊社は、デザイン・DTP部門(組版)とWEB部門(プログラム開発)の2部門が大きな柱となっており、2つの部門が相互協力し、効果的な提案を行っている。仕事の内容は、デザイン制作はもちろん、Web関連のサーバ構築、システム構築・保守管理、データベース構築など多岐に渡る。

「お客様への提案ポイントは「効率化」です。残念ながら最近のお客様の傾向として「デザインが優れている」とか「印刷の品質が良い」といった営業展開ではお仕事が取りにくくなっています。今回ご紹介した中古車販売業者様のダイレクトメール制作のお仕事は新規でいただいた案件です。これまでオフセット印刷にてお仕事されてきたのですが、年間十数回のキャンペーンを行なうということで、独自のWebを利用した入稿システムをお客様に提案し、中古車販売業者の営業様と弊社営業の手間を最小限とすることで「コスト削減」。最終データ制作期間を半分とすることで、おススメのお車をギリギリまで確認して入稿ができる環境を提供することで「短納期」をアピールし、ご好評いただきました」とのこと。コスト削減と短納期はどこの印刷会社でも永遠の命題となっているが、これをデジタルの力で明確にお客様に提案されたわけだ。

Web入稿の利点と注意点

システム開発・サポートを担当されている Space-i事業部萩原さんに、Web入稿システムのデザイン、設計、サポートをされている立場から、メリットと注意点をお話いただいた。

「このシステムの一番のメリットは、中古車販売業者様で構築されたWebデータベースのデータを入稿データとすることで文字・写真情報が間違いなく提供されることです。中古車販売業者様は、堅牢で洗練されたデータベースシステムを構築されており、そのデータを活用いただくことで弊社はデータベース構築の手間を省け、ディーラーの方は、入力の手間を劇的に減らすことができます。また、デザインのプレビューがその場で確認できるため、原稿締め切り直前で掲載自動車が売れてしまっても、ギリギリまで検討しなおせます。

逆に注意点としては、「お客様に実データをWeb入稿いただき、Webブラウザで文字校正確認をしていただいておりますので、最終確認の責任をお客様に委ねることをご理解いただく必要があります。当初は質問や要望が多数寄せられ、お客様によっては、慣れていただくまでに時間がかかるケースもありましたが、様々な要望をいただくことでインターフェイスも改良され、この経験は、わが社のシステム構築において他業界のお仕事でも再利用可能なコンテンツとなり、わが社の資産となってきております」

「投げ込み君」紹介サイト
Web 入稿システムより発展した、お客様の環
境できれいな最終出力データをWeb 上で作成
できるWeb レイアウトシステム「投げ込み君」

Webサービス構築による効能オンデマンド印刷機を活用した案件が創出

実は今回のお仕事をきっかけに、こんなこともできるのでは?とお客様から要望をいただき新しい案件に発展したケースがあった。お客様の「Webで入稿確認されたデータをそのまま自社のプリンタで出力することができないか?」との要望を受け、「投げ込み君」といったWebサービスを提供することとなった。各営業所の営業の方々は、Webで確認できるのなら自社のプリンタでそれを出力できるのでは?と考え、みどり側はサーバ管理の立場でお金をいただく。当然自社のプリンタでは、100部くらいまではこなせるが、100部以上やDMの宛名印刷となると、自社ではまかないきれなくなり、オンデマンド印刷機「RISAPRESS Color 651」がこのサービスにより稼働率アップとなった。短期間で大口のお客様のお仕事を抱え込めたのは、まさしくお客様の要望を真摯に受け止め、最適な環境を短期間・低コストでご提供できた結果といえる。

Web 入稿システム概要図
お客様入力画面より必要項目を既存データベースより流し込み、コメント等入力。
入力確認とすると画面上にヒトコマ毎のプレビューと全体プレビュー表示。
文字数が多かったり、不適切な入力はアラートで警告され入力できない仕様と
なっているため最終の組版上での文字あふれなどのミスを入力側で軽減できる。
お客様の個人情報を含むデータは、別途最後に送られてくる仕組みとなっている。

オンデマンド印刷機とバリアブルプリントソフトの効果とWeb to Printの今後の可能性

オンデマンド印刷機「RISAPRESS Color651」の導入を昨年夏頃導入した。その後の使い道をお聞きした。
主にオフセット印刷の色校正確認やDTP制作をメインとした小ロット印刷。またプレゼン資料などの販促ツールの印刷に利用していた。色校正に使うために印刷品質に非常に近く、トナー込みのカウント料金もランニングコストが明確で安心して利用できました。その他にも制作のお仕事は、年賀状印刷をMVPで、名簿などの大量一括処理モノをMC-B2やInDesignでこなしてきました。中古車販売チェーン様のDMのお仕事はそのような自動組版ソフトでこなせるのですが、オンデマンド印刷機の親和性を加味し、MVPにて作成しました。印刷機もお客様のお仕事の用途に合った機器を選ぶわけですから、組版ソフトもお仕事にあったソフトを選択した結果です」とのこと。

今後はMC-B2のサーバライセンスとサーバアプリケーション用フォントを利用した、Web上で自動組版が行えるようなサーバレイアウトアプリケーションの開発も検討しており、Webを中心としたネットワーク技術をフルに活用したシステムの構築で、さらなるサービスの向上と短納期化、コスト削減をさらに強化して行く予定だそうだ。

多品種少部数の時代が到来

最後に吉川所長は、今後のWeb to Printの必要性を最後に語ってくれた。
「ここ数年多品種少部数のケースが増えてきました。印刷会社にとっては利益率の悪いものですが、そのような仕事は一回あたりの印刷経費がさがることで、継続する場合が多く、オンデマンド印刷機器が最適なツールとなってきています。インターネットから原稿作成や校正を簡単にする「web to print」の思想の理解が進み、「安い、簡単、早い」の三拍子を 訴えられるこの「仕組み」は、今後も発展、進化し、そのシステムを希望するお客様も増えると期待しています」