ブログ - Morisawa DTP Lab.

page2017基調講演参加(2)

カテゴリ:イベント

2回目の基調講演受講は、
マーケティングオートメーションのお話です。

こんにちは、2回続けて登場のダイリンです。

今回も、page2017で参加しました基調講演2日目のお話をお送りします。

基調講演1の講演レポートも、前回の記事にて掲載しておりますので、合わせてご参照ください。

今回も長文となりますこと、ご了承ください。

基調講演のお話の前に「マーケティングオートメーションとは?」

JAGATなどで取り上げられるようになったためか、最近印刷業界でよく耳にすることが多くなった「マーケティングオートメーション(以下MA)」とは、デジタルマーケティングツールの一つです。

マーケティングの各プロセス(セミナーやイベントの集客やWebキャンペーンなど)におけるアクションを自動化するための仕組みやプラットフォームのことを指す。顧客や見込み顧客に対して、どんなアクションをとってきたかを記録し、「最適なコンテンツを、最適なタイミングで、最適な方法で届ける」ことを目的に利用する。機能としては「メール配信」「セミナー管理」「Webアクセス履歴」「フォーム機能」「リード管理」「スコアリング」など、マーケティングに必要なアクションが集約されている。

MAは、目的や顧客によってさまざまなツールがありますが、この基調講演では、デジタルマーケティングツールを開発・販売されている2社の方々が説明されました。

 

 

デジタルとアナログの最適解
~マーケティングオートメーションと印刷ビジネスの関係

大木 真吾 氏(博報堂プロダクツ
中嶋 祐一 氏(日本オラクル
小関 貴志 氏(マルケト
井戸 剛 氏(グーフ

基調講演2は、モデレータとして博報堂プロダクツの大木 真吾氏、MAツールを提供するオラクルの中嶋 祐一氏とマルケトの小関 貴志氏、デジタル印刷機器とソフトウエア周辺のサポートを目的としたシステム構築とコンサルティングをされているグーフ(旧社名プルキャスト)会長の井戸 剛氏(不二印刷社長兼務)の4名がご登壇。

「マーケットに対して具体的なアクションをどのように進めていくのか」「デジタルマーケティングの中で印刷がどのような役割を果たせるのか」について、ディスカッション形式でお話が進行しました。

マーケティングオートメーションを印刷業の視点で考えてみる。

この基調講演では、デジタルとアナログを組合わせた施策展開は非常に相性が良いといったお話を、事例や実証実験結果を交えて解説。

前回のブログでレポートしたロン・ジェイコブス氏の基調講演同様、さまざまなメディアを複合的に使うことで、顧客との接触率(コンバージョン)が上がるというお話でした。

最近のマーケターの間では、紙の有用性が見直されており、MAと印刷のDMがどのように連携していくのかを井戸氏が解説されました。

上段は、デジタルとアナログ両方を組み合わせた施策推進の結果、どちらかの効果が表れているか?を回答。

「メールのみ」「DMのみ」「DM+メール」の3パターンで実証実験

昨年行われた「SanSan」と「博報堂プロダクツ」にて実証実験を実施。

これまでにメールだけでは商談に至らなかったが、過去に名刺交換をした層に対し、「メールのみ」「DMのみ」「DM+メール」の3パターンでアプローチしました。その際、DM送付者に送るメールを送付後に「お手紙をご覧いただけましたでしょうか」といった形にすることで、組み合わせの効果が感じられるようなシナリオを作成。

この結果、DMとメールを組み合わせるとクリック率が、メールのみの場合の1.8倍になり、受注貢献も想定の10倍以上であった。

こちらの内容の詳細は、別イベントの以下のレポートに詳しく掲載されていましたので、ご参照ください。

『MA×DM×メールでCTR1.8倍! 最新アナログ活用法とは(MarkeZine)』

このような試みは、昨年開催されたpage2016での集客で、私たちモリサワもチャレンジしてみました。

モリサワでのpage2016(昨年)の実証実験と結果

「DMのみ」より「DM+メール」の方が5倍もの申込率!

モリサワでは、page2016の集客において、お客様約2千件に対し、【シナリオA:DMのみ】と【シナリオB:DM+メール】の2パターンでの集客を実施しました。

page2016集客施策 シナリオA
シナリオAは、約2,000件の顧客に対し、DMを郵送と手配りで配布。
事前申込み率は0.8%だった。
page2016集客施策 シナリオB
シナリオBは、約2,000件の顧客に対し、DMを郵送し、DMが届いたのち、同一の顧客に対しメールを2回送信。事前申込率は、トータル4.9%だった。

メール配信した場合と大きな差が出た理由は、DMは、紙からQRコードを通して申し込みサイトへ来ていただくハードルがあったためとも考えられます。

また、メールのみというパターンは過去に取組んでいませんでしたが、今回の講演で発表された実証実験に似た結果が得られていたと推測されます。

この施策を実施したことで、顧客の行動(ストーリー)を熟考・実施・結果を数値化することで、新しい「気づき」や次の「打ち手」を新しく発見できることが収穫となりました。

「SLA」のやり取りが重要

「SLA」とは「Service Level Agreement」の略で、サービス提供事業者とその利用者の間で結ばれるサービスのレベル(定義、範囲、内容、達成目標等)に関する合意や契約書のことを指します。

ITmedia エンタープライズ > 情報マネジメント用語辞典 より)


井戸氏は、印刷会社と顧客との間で、SLAを取り交わして仕事を進められることが重要だと明言されていました。

今後MAやファクトリーオートメーション(FA)が進化し、自動で生産設備が稼働した際、イレギュラーがあったりするとその仕組みが止まってしまいます。それらの場合の取り決めを事前に結んでおくことで、運用時のトラブルを最小限に食い止めることができるわけです。

この取り決めは、開発会社がシステム構築する際取り交わされるものですが、自動化はルールに沿って動作することが絶対条件ですので、印刷会社の生産設備でも必須と言えます。

この講演では、以下の2点が重要な内容でした。

1. マーケティングオートメーションやデジタルマーケティングツールを利用することで、紙の価値を再考できる。

2. 今後のオートメーション化を推進するには、「SLA」がとても大事。

とくに、販促業務支援をされていらっしゃる方は、ぜひ実践してみて下さい。

<< 基調講演(2)の所感 >>

 今回のMVP Labは、基調講演2の受講レポートと、昨年実施した紙DM×メールの効果実証実験のお話でした。

「じゃあ、page2017では、どんな実験をやったの?」と思われた方!

そのレポートは、3月下旬のMVP Labに掲載予定ですので、今しばらくお待ちください。

MVPで制作したパーソナルノベルティ
page2017に参加された方、名入りストラップをお渡しした方、今後のMVP Labをお楽しみに

バリアブルプリントソフト「MVP」詳細はこちら

                           ≪前の記事          次の記事≫