ブログ - Morisawa DTP Lab.

レイアウト作成に役立つMVPの文字組版のお話

カテゴリ:バリアブルソフト『MVP』、文字・組版

じめじめっとしてきましたね!(;´Д`A “

紫陽花も綺麗に咲き始めてきましたね。

皆さん、こんにちは!お久しぶりの登場のヌッティです★
6月に入り、大分蒸し暑くなってきましたね(-"-;A
洗濯物が乾きにくくなるこの時期、除湿器を買おうか悩んでいる今日この頃です。

さて、今回はMVPの文字組版についてお話ししたいと思います。

文字組版とは…?

「文字組版」という言葉をきいて、どのようなものかきちんと説明することは難しいです。
一般的には「文字をバランスよく、美しく並べて、読みやすい状態にする」ことを指します。パソコンやスマホなどで文字を打つときにはあまり意識しませんが、文字にはさまざまな種類や意味、動かし方に対するルールがあり、それを適切に守ることで、相手に読みやすく、意味を伝えることが大切なのです。

ではMVPでは文字組版についてどのような機能があるのでしょうか。
MVPの文字組版に携わる機能を一部、紹介したいと思います。

1.日本語組版ルールに基づいた動作

文字組版の処理は一般的なソフトウエアでは自動で行ってくれます。MVPも同様で標準的な文字組版の処理は、ソフト側で自動調整してくれます。例えば、読点(とうてん「、」)や句点(くてん「。」)、カッコ類(「」《》)などは禁則文字と言われており、これらの文字にはそれぞれのルールが設定されています。一例では行頭または行末に置かないように文字を追い出したり、追い込んだりして調整する必要があります。MVPは下図のように、利用者が特に意識することなく、自然な状態に自動で調整します。

 

MVPの追い込み・追い出し処理
居酒屋のDMサンプルより

他には半角数字や欧文は行頭・行末で分割されないようにように分離禁止文字として扱います。

MVPの分割禁止処理

MVPはモリサワの組版ソフトのエンジンを使用しているので、日本語組版はお手の物なんです!

世の中にある可変印刷用ソフトウェアの中においても、特に日本語組版の能力は高いと言えるかと思います。(^^)

2.ルビ(振り仮名)

ルビという言葉は聞きなれない方もいらっしゃるかと思いますが、振り仮名のことを示します。余談にはなりますが、このルビの語源は宝石の「ruby(ルビー)」で、活版時代にイギリスから輸入された活字の一部がそう呼ばれていたからだそうです。
さて、このルビに対しても様々な組み方があります。

MVPのルビ設定(人名ボックスより)

上図はグループルビとモノルビと言われるルビの振り方です。グループルビは主に複数の文字からなる単語にまとめてルビを振る際に使い、モノルビは親文字一文字ごとの読み方を示すためなどに使用することが多い手法です。MVPではルビの付け方を選択することができます。

他にもルビの配置位置を下に配置・調整することもできます。

3.様々な組版コマンド

様々な文字組版をするための組版コマンドがMVPでは用意されています。コマンドをプラスすることでさらに細かな文字組みが指定できるようになります。ここではおすすめの組版コマンドを一部、紹介します。

①平体、長体 ~文字属性コマンド~

平体とは横長で長体は縦長に変形した文字を指します。正体(変形しない文字)のままだと文字数が多すぎて入らない場合などに、縦横の幅を縮めて入れるときに使用します。MVPでは文字属性コマンドを使用すると、この平体、長体に変形させることができます。

※このメニューはMVP Pro版で使用できます。

MVPの文字属性コマンドの設定
文字高、文字幅をそれぞれ指定できます。

②文字位置を揃える ~原点命令コマンド~

綺麗な文字組版には「文字を揃える」事が重要です。下図のように二行目を項目名の終了位置に合わせる揃えは名刺などではよく使われます。

ただ、こういった揃えを行う場合、全角文字だけであればスペースで揃えることもできますが、下図のように英字が含まれますと、英字は文字幅が文字ごとに異なりますので、開始位置を揃えることが難しく、簡単ではありません。

このようなケースには原点命令コマンドが役立ちます。原点命令は文字位置の記憶ができ、その行位置で字下げすることができます。

※このメニューはMVP Pro版で使用できます。

③禁則の個別調整をしたい ~禁則解除コマンド~

ソフトが自動で行う文字組版ルールを例外的に処理したくないケースもあります。例えば短い行長で英文を表示させる場合、基本的には英字は分離禁止の動きをしますので、文字間が大きく空きすぎてしまう場合があります。そんな時には禁則解除コマンドを使用します。挿入すると前後の文字の文字組みルールを解除できるので、英字であっても綺麗な文字組版を行えます。

※このメニューはMVP Pro版で使用できます。

今回のMVP Lab如何でしたでしょうか。細かな調整を自動組みであきらめていた方は、体験版をぜひ使ってみて下さい。今回ご紹介したのは一部の機能で、他にもMVPには様々な文字組に対応できるよう、機能を備えてます。ぜひ役立ててください!

最後にお知らせです!

5月26日に開催された文字組版教室の様子(東京開催)

モリサワでは一般的な文字組みに関する知識習得を「文字組版の教室」という形で定期的にセミナーを行っております。文字組みに関する知識・技術、文字や書体の特性、組版における考え方の基礎、など、現代においては欠かせないデジタルフォントに関わる基本的な知識を学んでいただける1日セミナーです。


実際に受講された方からは
「普段使っているソフトで指定されている単位などの意味が分かり、より理解が深まった」
「文字組の歴史がわかり知識が深まった」
など、と感想をいただております。

特に印刷会社・印刷関連会社・デザイン事務所などでDTP・組版編集を担当する方は組版の基礎がわかるのでお勧めの内容となっています。7月も開催(東京のみ)をいたしますのでご興味のある方はぜひ下記よりお申し込みください。

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