異体字
日本語には、文字の意味と読みが同じ漢字がいくつも存在します。そのようなとき、標準的な文字に対して、字体の異なる文字のことを「異体字」と言います。
異体字には、より字源的に忠実な「本字」(たとえば、「亡」に対しての「兦」)、古い起源の文字「古字」(「善」に対しての「譱」)、字体が異なるものの同じように用いられている「同字」(「峰」に対しての「峯」)、世間一般で通用されている「俗字」(「蠣」に対しての「蛎」)などの種類があります。なお、字体や異体字に対する定義は見解によって異なります。
各文字に対する異体字の収録文字数はフォントによって異なりますが、モリサワの[Pro]フォント(A-J1-4準拠)、[Pr5]フォント(A-J1-5準拠)、[Pr6][Pr6N]フォント(A-J1-6またはA-J1-7準拠)では、従来のフォントに比べて豊富な異体字を収録しています。
たとえば「島」を例に取ると、[Pro]フォントは「嶋嶌嶹陦隝隯」の6文字、[Pr5][Pr6][Pr6N]フォントは「㠀嶋嶌嶹陦隝隯」の7文字の異体字を持っています。
異体字への切替えは、InDesignやIllustratorに搭載された字形パネルなどによって簡単にできるようになっています。