康熙字典体
中国・清の康熙帝の勅撰によって編纂された漢字字典『康熙字典』に収録された字体のことを言います。
日本語の明朝体活字は、この康熙字典をよりどころに作られ、今でも印刷標準字体のほとんどがこれに従っています。 例外的に、康熙字典体を採用していない印刷標準字体もあります。
たとえば、「花」の文字は、康熙字典では部首「艸」の項目に「花」(四画くさかんむり)と掲載されていますが、日本では楷書体など一部の書体をのぞいて、「花」(三画くさかんむり)が標準的に使われています(漢和辞典でくさかんむりの漢字が「艹」ではなく、「艸」に置かれているのは、漢和辞典の部首構成の多くが、康熙字典を参照しているためです)。
印刷標準字体「讃」と康熙字典体「讚」のように、字体そのものが変更されている例もあります。 康熙字典には、このほかにも皇帝名を「」に闕画(けっかく)されて収録されているなど、現在、日常的に使われている文字とは異なるものがあります。