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IVS


IVS(Ideographic Variation Sequence:異体字シーケンス)とは、漢字の細かな字体の差異(異体字)を、パソコン上で正確に指定・表示するための仕組みのことです。 

通常、漢字は見た目が異なっていても、同じ意味・読みであれば一つの文字コード(共通の番号)が割り当てられます。

例えば「ぎおん」の「ぎ」という漢字には、(1)と(2)の異なる字体がありますが、文字コード上では区別がされず、どちらが表示されるかは個々の環境(どのフォントを使っているか)によって変わってしまうという課題がありました。

この課題を解決するために導入されたのがIVSです。
基本となる文字コードの後ろに、VS(Variation Selector:異体字セレクタ)と呼ばれる「枝番号」を付け加えることで、「この漢字の、この形を表示してほしい」と具体的に指示を出せるようになりました。

この指示(枝番号)がどの字体を指し示すのかについては、世界共通のデータベースであるIVD(Ideographic Variation Database)によって定義されています。IVDの中には、用途に合わせて文字のバリエーションをまとめたIVDコレクションがあり、日本では主に以下の2種類を利用しています。 

Adobe-Japan1
アドビの規格に基づき、印刷出版やデザイン業界で広く普及しているIVDコレクション。

Moji_Joho/Hanyo-Denshi
行政や自治体で必要な、人名や地名に使われる漢字を中心としたIVDコレクション。

 

注意が必要なのは、同じ「異体字」であっても、参照するIVDコレクションが異なれば、割り振られている枝番号も異なるという点です。

文字情報に含まれるVSの前提となっているIVDコレクションと、表示側のフォントやアプリケーションが参照しているIVDコレクションが一致していないと、番号が正しく認識されず、意図した字体と異なる形が表示されたり、標準的な字体の形に置き換わったりしてしまいます。

なお、モリサワフォントの多くは「Adobe-Japan1」を採用しています。そのため、「Moji_Joho」で入力されたテキストをモリサワフォントで表示すると、IVDコレクションの相違により、元の環境で意図した字体とは異なる形が表示されます。
異体字を正確に表示するためには、入力データとフォントの双方が同じIVDコレクションに対応している必要があります。