常用漢字表
「一般の社会生活において現代の国語を書き表すための漢字使用の目安」として1981年(昭和56年)10月1日に告示された漢字表です。専門分野で使われる漢字や、人名は含まれません。
2000年12月には、別途「表外漢字字体表」(1,022文字・簡易慣用字体を含む)も作られました。常用漢字表の一部の文字には「悪(惡)」のように括弧書きで「いわゆる康熙字典体」が付記されています。
「常用漢字表」は、戦後の国語施策の一環として作成された「当用漢字表」(1946年12月)、「当用漢字別表」(1948年2月)、「当用漢字音訓表」(1948年2月)、「当用漢字字体表」(1949年4月)などに代わるものとして作成されました。
これらの漢字表の作成により、それまで画数が多く、複雑だった多くの漢字が略体に変更されました。たとえば「当用漢字字体表」では、「縣」「廳」と書いていた文字は「県」「庁」へと簡略化され、「常用漢字表」では「繩」→「縄」、「罐」→「缶」へと19文字が変更されています。2010年には常用漢字表の改定が行われ、これまでの1,945字から5字を削除し、新たに196字を追加しています。
なお、いわゆる「新字」という言葉は、この「当用漢字字体表」で採用された131文字の略体と640余字の新しい字体を指し、これらの新字に対して、それまで使われていた文字を「旧字」と呼びます。