モリサワビルってどんなところ?
この記事は「モリサワ note」にてリニューアル公開されています。
カテゴリ:その他
はじめまして。
今回からブログの執筆の一員になりました「明石」といいます。
入社13年目、これまでDTP関連の業務をいろいろとやってきました。
今後、ときどき記事を書かせてもらいますので、どうぞよろしくお願いします。
さて、わたしの仕事の中で少し変わったものとして、「モリサワビルの案内」があります。
大阪にあるモリサワビルには実はショールームがあり、学生さんや印刷会社の新入社員の方をはじめとして、いろいろな人が見学に来られるのです。
しかし昨今のコロナ禍の影響で、現在は閉館しています。そのため、当ブログでモリサワビルをご紹介しちゃいたいと思います。
文字や印刷の歴史が好きな方、建築に興味がある方はぜひチェックしてください。
■ 文字要素がいっぱいの「ビルエントランス」
モリサワは大阪の大国町というところにあります。Osaka Metro御堂筋線・四つ橋線の大国町駅で降りたところです。
え?大国町をご存知ない?
なんば駅の一つお隣の駅です。ライブハウス・ZEPP NAMBAにもアクセス良好。ミナミのカルチャーの中心地になるかもしれない…なるといいなあ…という場所です。
なんばもご存知ない?そんな方は、コロナ禍が落ち着いたらぜひ大阪に旅行にきてください。良いところですよ。たこ焼きもお好み焼きもすごく美味しいです!
なんばから、かの有名な新世界(大阪のシンボル・通天閣があるところです)へは、頑張れば歩いて行けます! 串カツが名物なので、ぜひご賞味ください。
その道中にある大国町の一角に、モリサワビルはあります。
モリサワは東京2020オフィシャルサポーター。大会の公式フォントを制作しました。
それゆえ、現在は上記の写真のような外観です。残念ながら2020年の大会は延期されましたが、2021年の開催が楽しみですね!
エントランスにある展示品たち
エントランスを入ると受付があります。受付の横にはさまざまな展示品が。
この大きな機械は「写真植字機」です。今では印刷データを作るのにコンピューターを使うのが当たり前ですが、それまではこの「写真植字機」が使われていました。
文字を並べたガラスの「文字盤」に光を当て、「写真」すなわちカメラの技術を応用して文字を一文字ずつ撮影していきます。
写真植字機は略して写植機と呼ばれていました。(→「文字を組む方法」技術と方法 2 写真植字)
キーボードで文字を打つようになる前は、このビッシリ文字の並んだ「文字盤」から目的の文字を拾っていたんですね。気が遠くなります。
しかも文字盤は反転した鏡文字の状態で必要な文字を探します。わたしなどは自分の名前さえ見つけるのに一苦労です。
受付の背面の壁、実は…?
エントランスの受付の背面は、一見すると真っ白な壁になっています。
この壁は一面LEDの照明で光っているため、真っ白に見えるようです。そっと近づいてみると…
なんと、一面に文字がビッシリと並んでいます。
これは…?お経でしょうか…?どうしてこんなところに文字が…?と思うかもしれませんが、実はこれ「文字盤」をイメージしたものです。代表的な14書体が使われていていますので、お気に入りの書体の前で、ぜひ一緒に写真を撮ってくださいね。
(壁が真っ白に光ってますので、美白照明効果もばっちりです)
セキュリティカードをかざすのは「活字」?
受付を済ませ、エレベーターホールに向かうと、自動ドアがあります。
ガラスの自動ドアを開けるには、セキュリティ装置に入館カードをかざす必要があります。
ん?この装置、よく見ると上に文字がある…しかも鏡文字のように反転している!?
こちらは「活字」を模したセキュリティ装置です。
「活字」とは、さきほどご紹介した「写真植字機」よりももっと古い時代に発明された「活版印刷」で用いられるハンコに似た文字のことです。(→「文字を組む方法」技術と方法 1 活字)
ビル内の各入口にセキュリティカードをかざす装置がありますが、活字をモチーフにしているのはエントランスの一箇所だけ。必見です。
■ ビルのいたるところにある「サイン」
モリサワビルの各階のエレベーターホールには、ここが何階かを示す「サイン」があります。同じコンセプトでデザインされたサインが階段の壁にも示されています。
壁面の数字から、影のような線が床まで伸びたデザインとなっています。
このサイン数字に使われている書体「光朝」は、グラフィックデザイナー・故田中一光氏がデザインした書体です。
階数をわかりやすく表示する「サイン」ではありますが、光と影を表現したデザインにもなっているのです。
モリサワが開発した「写真植字機」にとって「光」は大切な要素です。
他に、お手洗いや給湯室などの入口にも同じようにサインがあります。
ここに使われている記号は、サインの一種で「ピクトグラム(絵文字)」と呼ばれます。
これらサインやピクトグラムをはじめ、モリサワビルのアートディレクションを手掛けてくださったのは、東京2020大会の競技ピクトグラムも手掛けられた廣村正彰氏です。
■ 文字/印刷/モリサワの歴史がつまった「ショールーム」
最後にご紹介するのがショールーム「MORISAWA SQUARE」です。
日本語の文字は正方形であることから、この名前がついています。
ここにはモリサワの歴史や、文字・印刷の歴史に関する多数の収蔵物を展示しています。
ここではすべてを紹介しきれませんので、収蔵品のひとつひとつは、また別の回でご紹介しますね。
ショールームをもう少し詳しく知りたいかたはこちらもご参照ください。
https://www.morisawa.co.jp/culture/museum/
モリサワビルおよびショールームは平日のみ公開しており、通常の土日祝日の一般公開は行っていません。
しかし、例年大阪で開催される建築イベント「生きた建築ミュージアムフェスティバル」のときは特別公開を行っています。
今年はコロナ禍のためバーチャル開催とのことなので、全国のみなさまもぜひ覗いてみてくださいね。
生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪
2020年10月24日(土)・25日(日) バーチャル開催
2020年10月現在は、新型コロナウイルス感染防止のためショールームの見学は中止しています。コロナ禍が落ち着きましたらぜひモリサワ本社(大阪)にお立ち寄りください。
ご見学のお申し込みはこちら。
https://www.morisawa.co.jp/support/contact/forms/gallery-tour
※2020年10月現在は、新型コロナウイルス感染防止のため見学は中止しています。
※ご見学の際は事前予約のお申し込みが必要です。
それでは。