その制作環境、大丈夫?
環境移行について考えよう!
カテゴリ:Adobe Creative Cloud
こんにちは、明石です。
さて、みなさまは普段どのような環境でお仕事をされていますか?
私はWindows 10のノートPCをディスプレイに接続しています。本当はデスクトップ型PCや、新しいカラフルなiMacが欲しいのですが、お客様先に行くこともあってノートPCが必須です。
この時期はノートPCの本体がとても熱くなって、ヒヤヒヤします。
ノートPCのためにも、そして自分の身体のためにも、適宜クーラーを使って熱中症対策をしていかなければなりませんね。
1. その制作環境、大丈夫?
モリサワでは日々、制作やデザインに携わるみなさまからご相談をいただいておりますが…
そんな中ときどき耳にするのが、サポートされていないOSやアプリケーションバージョンを利用されているケースです。
「Webのサービスが利用できなくなった」とか「新しいソフトが対応しないのでどうすればいいか」というお声もチラホラ…。
お仕事で使用しているPCだからこそ、環境の変化で使用ができなくなっては困りますよね。
今回は、お仕事をストップさせないためにも、OSやアプリケーションの環境移行をどのように考えるか?を一緒に見ていきましょう!
※本ブログの内容は、公開時(2021年7月)の情報となります。
2. サポートされているOSバージョン
Windows OSの場合
2021年7月現在、サポートされているOSはWindows 8.1と10です。これらのOSも、実はすでにサポート終了の予定が発表されています。
また先月、Windows 11のリリースについて発表されましたので、どのタイミングでOSを移行するのか、ご使用中のOSを踏まえた上で、あらかじめ検討しておく必要があります。
・Windows Vista:2017年4月11日 延長サポート終了
・Windows 7:2020年1月14日 延長サポート終了
・Windows 8.1:2023年1月10日 延長サポート終了予定
・Windows 10:2025年10月14日 延長サポート終了予定
参考:OS にはサポート期限があります!
https://www.microsoft.com/ja-jp/atlife/article-windows10-portal-eos.aspx
Windows 10には、さらにバージョンがあります。1つのバージョンのサポート期間は18ヶ月ですので、こちらもサポート期間を超えないようにアップデートを検討しましょう。
※Windows 10のバージョンとリリース日の確認は →こちら
※使用中のWindows 10のバージョン確認方法は →こちら
macOSの場合
macOSはWindowsとは異なり、OSのサポート終了日は明示されていません。
しかし、セキュリティアップデートが最新のOSを含め3バージョンに対して提供されていることから、「最新の3バージョンがサポートされている」と捉えることができます。
新しいOSが出る際には、古いOSがひとつサポートから外れることを、利用者側が把握しておく必要があります。
この数年でMac環境を狙ったマルウェアが非常に増加していますので、サポート対象バージョンはしっかりと認識しておきましょう。
2021年7月現在、セキュリティアップデートが提供されているOSは、下記の3バージョンです。
・macOS Big Sur(11)
・macOS Catalina(10.15)
・macOS Mojave(10.14)
参考:Apple セキュリティアップデート
https://support.apple.com/ja-jp/HT201222
3. サポートされているAdobe アプリケーションバージョン
Adobeアプリケーションは、最新バージョン(N)とその1つ前のバージョン(N-1)のアプリケーションが提供されています。
製品に関するお問い合わせは、最新バージョン(N)とその2つ前のバージョン(N-1、N-2)までとなります。
Creative Cloudになってからは、年に一度メジャーバージョンがアップデートされています。
Adobeアプリケーションについても、いつバージョン移行をするのか、計画的に検討しましょう。
参考:Creative Cloud サポートポリシー
https://helpx.adobe.com/jp/support/programs/cc-support-policy.html
4. なぜ旧バージョンは使用が推奨されないの?
サポートが終了したOSやアプリケーションは、脆弱性に対するアップデートが提供されません。
そのため、セキュリティリスクが高まり、場合によっては業務上のトラブルや、情報漏洩などの問題につながる可能性があります。
オフラインで使用すれば良いと思われるかもしれませんが、現在の環境ではWebを利用したサービスが非常に多く、完全オフラインで運用するのは困難です。
みなさまもおそらく、お仕事でメールやネットを当たり前のように使っていると思います。サポートが終了している環境の場合、そこで情報が盗まれたりする可能性も高まってきます。
例:旧OSでAdobeのWeb認証(ライセンス認証)へアクセスできない
例えばAdobe CS6は、Creative Suite最後のバージョンとして非常に需要の高かったバージョンですが、インストール後はWebでのライセンス認証が必要です。しかし、旧OSではAdobeのWebサービスにアクセスできない場合があります。
オフライン認証という手段が残されていますが、仮にライセンス認証ができても、CS6アプリケーションは2019年5月に原則アップデータの提供を終了しているため、不具合解消などを行うためのアップデータの適用ができません。
参考:オフラインによるライセンス認証(Creative Suite 6)
https://helpx.adobe.com/jp/creative-suite/kb/cpsid_93619.html
Creative Cloudもまたインターネット環境が必須ですが、旧OSだとCreative Cloudのデスクトップアプリにログインできないなど、Web認証が行えないケースがあります。
AdobeアプリケーションでWeb認証ができない原因は?
旧OS(Windows 7以前や、 macOS 10.8以前)は、暗号通信であるTLS(Transport Layer Security)のバージョンが1.2以降をサポートしていません。そのため、AdobeのWebサービスにアクセスできず、ライセンス認証が行えません。
2021年7月14日以降は、TLS1.2以降が有効になっていない環境ではすべてのAdobe製品およびサービスにアクセスできない旨が、Adobeから案内されています。
参考:TLS 1.0 および 1.1 サポートの終了
https://helpx.adobe.com/jp/x-productkb/multi/eol-tls-support.html
5. OSとアプリケーションの推奨バージョンは?
そうなると、どのOSとアプリケーションの組み合わせで使用すれば良いのか気になりますよね。
例えばIllustratorの場合は、下記のOSが必要システム構成に記載されています。
Windows 10 | macOS | |
2021 | V1809 以降 | 11(Big Sur)、10.15(Catalina)、10.14(Mojave) |
2020 | V1803 以降 | 10.15(Catalina)、10.14(Mojave)、10.13(High Sierra)* |
* 10.13(High Sierra)はOSのセキュリティアップデート提供が終了しています
その他のアプリケーションとOSの対応バージョンについては、下記をご参照ください。
6. 計画的な環境移行を!
以上を踏まえ、お仕事をする環境には、メーカーサポート対象のOSやアプリケーションが必須です。
OSやアプリケーションの対応状況は刻々と変化していきます。現在はインターネット接続が前提の環境が必要となり、セキュリティ技術も新しいものが求められます。
わたしたち利用者は日ごろからそれらの情報をチェックし、運用サイクルを考える必要があります。
お仕事をストップさせないためにも、ぜひ計画的な環境移行をご検討ください!
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