ご存知ですか? この画像形式!
~次世代を担う画像形式について~
カテゴリ:Adobe Creative Cloud

こんにちは。ヌッティです。
6月中旬も過ぎると毎年恒例のジメジメ時期が本格化してきます。こんなにジメジメしていると家にキノコでも生えてきそうな気がしています。
さて、今回のDTP Lab.は次世代を担う画像形式についてです。
皆さんはお客様との画像のやり取りやWebから画像を保存した際などに、馴染みのない画像形式に出くわしたことはないでしょうか?
日進月歩である昨今の技術。気づくと新しい形式が広く使われており、「今まで主流だった形式はもう古いものに!」なんてこともありえるかもしれません。
ということで今回はここ数年で出てきた新しい画像形式についてご紹介します。
現在、画像形式はさまざまあります。Web業界などで主流になっているのはJPEG、GIF、PNG、SVGなどですが、新しい画像形式が続々と登場しています。
1. WebP(.webp)
「ウェッピー」と読むこの形式は、Google社が開発したラスターファイルの画像形式です。なんとも可愛らしい名前ですが、WebPはJPEG、GIF、PNGのメリットをすべて兼ね備えた実力派の画像形式と言われています。
サイズを軽くするための圧縮はJPEG以上に高く、しかも画質の劣化は少なく容量のみを軽量化することができます。さらにはGIFのようにアニメーション表示もでき、PNGのように背景の透過も可能です。
また、内容を損なうことなく元に戻せる「可逆圧縮」と、不必要なデータを削り容量を減らしつつ、元画像を可能な限り残して保存する「非可逆圧縮」の二つの保存形式に対応しています。
ちなみにGoogle社の事例では、非可逆圧縮で(同一画像、同等画質の)JPEGと比較して25~34%小さくなり、可逆圧縮モードでPNGと比較して28%小さくなった※とされています。
※WebP(最終更新 2023年3月26日 (日) 09:30)『ウィキペディア日本語版』より
下は同じサイズ・解像度の画像をJPEG、WebP双方の形式で保存したものです。画像の質はそこまで変わらないのにサイズが686KB→307KBと大きく違うことが分かります。


そんなWebPですが、Chromeでのサポートはもちろんのこと、他のブラウザであるFirefox、Edge、Safari、Opera※などもサポートしており、利用が広がっています。アプリではAdobe Photoshopが2022年5月リリースのバージョン23.2からWebPに正式に対応し、プラグインなしで作成、編集、保存作業ができるようになりました。
Adobe社の対応によって、この形式がより扱いやすくなりましたね。
※バージョンや環境によっては、正しく表示できない場合もあります。
2. HEIC(.heic)
「HEIC(ヘイク)」は高い圧縮率と優れた画質が保存できるファイル形式です。この形式は2017年頃からiPhoneやiPadで標準搭載されており、iOSデバイスで広く使用されています。
どれくらいの圧縮率なのかというと、ほとんど劣化することなく、従来のJPEG画像の半分程度に容量を抑えることができるそうです。
スマートフォンの容量を気にする身としてはとても嬉しい形式です。最近ではAndroidでも採用している端末もあるようです。
ただ、優れた画像形式である反面、この画像形式を採用していないAppleデバイス以外の環境に画像を移すと見ることができない問題もあります。
アプリなどを通してやり取りすると、自動で画像形式を変換する機能があるため普段は形式を気にすることもなく扱えるようになっています。しかし、Windowsなどの別環境に直接画像を取り込むと、HEIC形式のままとなっており、開けないという事もあります。

このような場合にはMac版のPhotoshopでファイルを開いたり、WindowsであればWindowsの拡張機能をインストールすることなどで解決することができるようです。この形式に出くわしたら、ぜひ試してみて下さい。

3. AVIF(.avif)
続いてご紹介するのは「AVIF」という形式です。こちらはGoogle・Mozilla・Netflix・Microsoft・Apple・Amazon社といった世界の名だたる大企業のメンバーが含まれる「Alliance for Open Media(AOMedia)」というグループによって開発されました。AVIFは動画圧縮方式の「AV1」と同様の方法で画像を圧縮して保存する形式を採用しています。そのため、前述のWebPよりも高い圧縮率で、サイズをWebPよりさらに30%程度軽量化することができます。
下は同じサイズ・解像度でWebP、AVIF双方の形式で保存したものです。拡大すると品質に若干の差はありそうですが、見た目もほとんどか変わらず、サイズはWebP:307KB、AVIF:70KBと大きく異なります。


2023年現在、Chrome・Firefox・Safari※などサポートするブラウザが続々と増えてきていますが、WebPと比較すると対応ブラウザやソフトなどはまだまだ少ない状態です。
しかし、主要な企業やブラウザが対応していることもあり、近い将来この形式に置き換わる可能性もあります。今後の動向に注目したいですね。
※2023年6月時点ではEdgeは未対応です。対応しているブラウザでもバージョンや環境によっては、正しく表示できない場合もあります。
まとめ
ということで次世代の画像形式についてご紹介しました。そしてすべての形式に共通していることは「ファイルを軽くする」だとお気づきになりましたか?
使用しているPCや端末のストレージ不足を解消する目的もありますが、Webの世界では他の目的もあります。
2017年にGoogle社が発表した独自の研究データによると
「ページの読み込み速度が1秒から5秒に増えると、モバイルサイトの訪問者の直帰率は90%あがる」
「表示されるまでに3秒以上かかってしまうWebページは、53%のユーザーが離脱している」
とのことです。Webの世界では表示速度がいかに重要であるかがうかがえます。サイズの大きい画像は読み込みに時間がかかるため、軽い画像を使うという事が大切ですね。
昨今の技術進歩は凄まじく、この記事を書いている間にも新たな次の形式が生まれているかもしれません。ぜひ、今後の新しい画像形式にも注目してみてください!
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