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Illustrator 2023(Ver.27.0)の新機能をご紹介!

  

カテゴリ:Adobe Creative Cloud

こんにちは、マツヲです。
2022年10月19日~20日に「Adobe MAX」が開催されましたが、みなさま既にチェック済みでしょうか?
例年通り、各製品にてさまざまな機能追加・強化がありましたね!

今回はAdobe MAXにて発表されたIllustratorのバージョンアップ内容について、デスクトップ版とiPad版それぞれご紹介していきます。

必要システム構成

今回リリースされたIllustrator 2023は、内部バージョンとしては27.0です。必要システム構成は下記の通りですので、インストールする前に一度ご確認ください!

▼macOSの場合
・macOS バージョン 12.0(Monterey)
・macOS バージョン 11(Big Sur)
・macOS バージョン 10.15(Catalina)

▼Windowsの場合
・Windows 11、Windows 10(64 ビット)バージョン21H1および20H2
・Windows Server バージョン1607(2016)および1809(2019)

 

※Illustratorの必要システム構成の詳細はこちらをご覧ください。

新機能の概要

 今回のバージョンアップ内容は、下記の通りです。

・「クロスと重なり」を使用してオブジェクトを部分的に重ねる
・Illustrator ドキュメントをレビュー用に共有 (ベータ版)
・Illustrator と InDesign の間でテキストを貼り付けるときに書式を保持する
・クイックアクションで複雑な Illustrator ワークフローを自動化 など

 

※新機能と機能強化の詳細はこちらをご覧ください。

 

それではいくつか抜粋してご紹介していきます!

1. 「クロスと重なり」を使用してオブジェクトを部分的に重ねる

実際に重なり合っているような表現を「クロスと重なり」を活用することで、簡単に作成することができるようになりました。

アウトラインをとったり切り貼りすることなく作成できます。設定手順をご紹介していきます。

任意のオブジェクトを作成し、選択している状態で「オブジェクトメニュー>クロスと重なり>作成」をクリックします。

カーソルのアイコンが変化し、任意の箇所を囲むと重なり合ったオブジェクトが作成できます!
Shiftキーを押しながらAltキーを押すことで長方形の選択範囲を描くことも可能です。

「クロスと重なり」を使用するとオブジェクトがグループ化されるため、位置の微調整を行う場合はダブルクリックをする必要があります。

また、オブジェクト作成後も、再度「オブジェクトメニュー>クロスと重なり」をクリックすると「解除/編集」にてやり直すことも可能です!

 

テキストもアウトライン化せずに実行できるため、フォントの変更も簡単に行えました☆ミ

2022年のモリサワ新書体を使用したサンプル
使用フォント:左「くろまめ」、右「プフ ピクニック」

痒い所に手が届く!便利な機能ですね。作業効率アップに一役買ってくれそうです。

 

 ※「クロスと重なり」の詳細はこちらをご覧ください。

 

なお「クロスと重なり」は、現時点でPDF形式でエクスポートする際に問題が見つかっているようです。不具合改修などはフォーラムなどでもアナウンスがあるため、併せてご確認ください!

 

※「クロスと重なり」を活用してエクスポートする際の問題の詳細はこちらをご覧ください。

2. Illustrator ドキュメントをレビュー用に共有

Illustratorで作成しているドキュメントを他の人へ簡単に共有・フィードバックを貰うことができるようになりました!
ドキュメントの共有機能は次の2通りです。
・編集に招待:クラウドドキュメントを共有して編集
・レビュー用に共有 :ローカルまたはクラウドドキュメントを共有/レビューし、必要に応じて更新をプッシュ

「レビュー用に共有」はベータ版機能です。開発、テスト、フィードバック用に、Illustrator デスクトップ版で利用できるようになりました。

 

今回は「レビュー用に共有(ベータ版)」の手順をご紹介していきます。

ローカルまたはクラウドにIllustratorデータを保存します。その後、画面右上「共有>レビュー用に共有(ベータ版)」をクリックし、公開範囲を指定すると共有用のURLが発行されます。

社内だけなどの設定ができるので、セキュリティ面も配慮した設定を行うことができますね。

2022年のモリサワ新書体を使用したサンプル
使用フォント:タイトル「Pistilli Pro」、メッセージ「Tapir Pro」

発行されたURLをクリックすると、ブラウザ上でIllustratorデータを確認・コメントの追加ができるようになっています。Adobe IDをお持ちでいない方も、任意の名前設定を行ってゲストとしてコメント追加が出来るのはありがたいですね……!

Illustratorデータの製作者側では、Illustrator上でコメントの確認が出来るので画面を行ったり来たりせず済みそうです。

コメントパネル右下のアイコンよりコメントを非表示にしたり、Acrobatの注釈機能のようにフィルターをかけることも!

データ修正後は再度Illustrator画面右上の「共有」ボタンより「コンテンツを更新」をクリックして、共有用データの更新も可能です。

今までフィードバックをもらうには、一度PDF書き出しをする必要があったかと思います。共有機能が強化されたことで、今後の作業フローが効率化できそうですね!

 

※「Illustrator ドキュメントをレビュー用に共有」の詳細はこちらをご覧ください。

3. クイックアクションで複雑な Illustrator ワークフローを自動化

チュートリアルや新機能の確認ができる「もっと知るパネル」に「クイックアクション」が追加されました。カラー変更やネオン光彩など、ひと手間かけなければ作成できなかった編集プロセスを簡素化してくれる機能です。それでは、実際に設定手順をご紹介していきます。

 

Illustrator画面右上にある虫眼鏡アイコンをクリックすると「もっと知る」パネルが表示されます。「クイックアクション」をクリックすると、クイックアクションとして何を実行するか選択することができます。

今回は「ネオン光彩テキスト」を適用します。「ネオン光彩テキスト」の右端「i」アイコンをクリックします。

任意のテキストを選択している状態で「適用」ボタンをクリックすると、ネオンの装飾が施されたテキストに変更されました!

2022年のモリサワ新書体を使用したサンプル
使用フォント「タカ風太」

クイックアクションが適用されると「もっと知るパネル」内に「次のレイヤーで調整」としてネオン光彩の色などを調整するパネルが表示されます。そのため、クイックアクション設定後も直感的にご自身でカラーなどの設定変更ができます。
もちろんテキストをアウトライン化する必要はないため、フォントの変更も簡単です!

設定変更例
上:使用フォントを2022年のモリサワ新書体「ラピスメルト」に変更
下:使用カラーをグリーン系に変更

来週にはモリサワの新書体もリリース予定ですので、併せてご活用いただけるのではないでしょうか☆

 

※「クイックアクション」の詳細はこちらをご覧ください。

3. Illustrator iPad版

iPad版も新たにVer.3.0がリリースされました。バージョンアップ内容は下記の通りです。

・タッチショートカットの強化
・ドキュメントの迅速な保存と名前の変更
・スナップイングラデーションで精度を向上 など

 

※Illustrator iPad版新機能の詳細はこちらをご覧ください。

今回は「ドキュメントの迅速な保存と名前の変更」をご紹介します。

Illustrator iPad版は、3分毎にドキュメントを自動保存しますが、タイトルバーより手動で保存をすることができるようになりました!
また、同じくタイトルバーよりドキュメントの名称を変更することが可能になっています。

Illustrator iPad版の画面例

※「ドキュメントの迅速な保存と名前の変更」の詳細はこちらをご覧ください。

※Illustrator iPad版の必要システム構成はこちらをご覧ください。

Illustratorのバージョンアップ内容はいかがでしょうか?


便利機能が追加されたことでデータ作成の効率アップにつながりそうですね。また、共有機能も充実しているため、チームとしての作業効率もアップしそうです。今後もAdobe製品のバージョンアップから目が離せません!

アップデートの注意点

デスクトップ版アプリケーションをアップデートをする際は、 「以前の設定および環境設定を読み込む」「以前のバージョン削除」のチェックをOFFがおすすめです!

環境設定は不具合が起きやすく、以前の設定および環境設定を引き継ぐと、新バージョンでの動作に支障が出る可能性があります。

Photoshopなど他アプリケーションの場合も、同様にチェックはOFFがおすすめです。

 

それではまた次回の更新をお楽しみに~!

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