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多摩美術大学 グラフィックデザイン科

MORISAWA PASSPORTで
試すことにより、
文字の造形感覚を養い
文字の形が持つ本来の美しさを知る。

多摩美術大学 グラフィックデザイン科
  • 多摩美術大学 グラフィックデザイン学科 准教授

    山本 政幸 氏

葛西薫、大貫卓也、佐藤可士和といった著名なアートディレクターを輩出している、多摩美術大学グラフィックデザイン 学科。八王子キャンパスの同学科にあるコンピュータールームではMORISAWA PASSPORTが導入されている他、 学生は学内でStudent Packを購入することも可能だ。同学科おいてタイポグラフィを教える山本政幸准教授に、教育 者として、そしてタイポグラフィ研究者として、学生が多彩な書体に触れることの意義について伺った。

文字を作る/使うという2つの柱でタイポグラフィを学ぶ

東京都八王子市の丘に立つ、多摩美術大学八王子キャンパス。同大学のグラフィックデザイン学科には、表現コース、広告コース、伝達コースという3つのコースが存在するが、いずれのコースに進むとしても、1~2年次においてはタイポグラフィの基礎について学ぶ機会が用意されている。

「基礎実習において、文字を作るということ、そして文字を使うということ、この2本柱でタイポグラフィを学びます」と話すのは、多摩美術大学グラフィックデザイン学科准教授、山本政幸先生。文字を学ぶ上でもっとも基本になるのは、今ある文字を知ること。そのために「まずはレタリングから始めます。気になった文字を、なるべく大きなサイズでトレースするのです」と話しながら、実際に授業で使用した物を見せてくださった。学生たちが自分で選んだ「気になる」文字が、トレーシングペーパーにレタリングされている。この作業を通じて、文字のかたちに対する理解を深めていくというわけだ。その上で学生たちに文字を作らせてみると「もともとグラフィックの上手な学生が多いですから、表現としてもとても面白い文字が次々と生まれてきます」と山本先生は話す。

ページレイアウトとデザインを学び、組みルールや記号・約物などを理解していく。

このようにして「文字を作る」ことを学びつつ、ときには手作業で、ときにはMacを使って「自分で見出しを組んでみる」といった実習を行いながら、文字の使い方も身につけていく。実習には小山壽久氏、園原稔雄氏、竹下直幸氏ら第一線で活躍するデザイナー陣が参加し、4人体制できめ細かな指導にあたる。

学生たちは、タイポグラフィの授業に対してどのような反応を示すのだろうか。山本先生は次のように話す。「学生たちはレタリングというものがあることは知っていますが、では実際にどのような書体があるのか、そして文字を使う際にどのようにすれば良いのか、どのようなルールがあるのかといったことを知りません。それを身につけたいという欲求が、学生の中にはあります。」

文字や組版をスクラップしながら多様な書体を知る

タイポグラフィの基礎実習の中では、文字のスクラップを作る場面が何度か出てくる。

「気になった文字をトレースさせると話しましたが、そのために文字のスクラップを作ります。文字の好みというものは狭くなりがちで、いつも同じ物を使う傾向にあります。しかしスクラップを作っていく中で、いろいろな種類の文字があることを知り、視野を広げることが重要です。文字の使い方を学ぶ際にも、組版のスクラップを作る作業があります。きれいだなと思った組版をスクラップして、どのような書体が、どのような体裁で使われているのかを調べます。」

このような作業を通じて、単に書体を知るというだけではなく「どうしてこれが美しいのか」「なぜこの文字が好きなのか」といったことを突き詰めて考え、その理由を発見することもできる。

トレーシングペーパーに文字をレタリング。文字のかたちに対する理解を深める。

「良い物をいくつか知っていれば構わないという人もいるかもしれません。しかし、社会に出てデザインの仕事に就いたとき、どういう仕事に出会うかわかりませんし、その場面に応じて文字が使いこなせるように、たくさんのストックを作っておくべきだということを知らせたいと思っています。」

実際に組んで試すことができるのが最大のメリット

「パソコンにインストールされている書体が限られていると、その環境の中に限られてしまい、いつも同じものばかりを使いがちで、それがその人のスタンダードになってしまう可能性があります。しかし実際には、いろいろな書体を目的に応じて使い分けることができるデザイナーが必要です。」

このように話す山本先生。八王子キャンパスの同学科にあるコンピュータールームではMORISAWA PASSPORTが導入されている。多くの文字、書体に触れておくべき学生時代にMORISAWA PASSPORTが利用できることのメリットを伺った。
「MORISAWA PASSPORTの良いところは、アプリケーションのフォントメニューにたくさんの書体が表示されることで、いろいろなものを試してみようと思えることです。ファミリーも含めて、実際に組んで試してみれば良いのです。先輩デザイナーや先生方が実際に使っている書体も、自分で試してみることができるのは他に替えがたいメリットだと思います。」

さらには、学生は学内でStudent Pack*を購入することもできる。山本先生によれば、実際に多くの学生が自分でMacを購入し、大学のコンピュータールームでも自宅でも、課題等の制作に励んでいるという。自宅のMacでStudent Pack*を使用すれば、自宅で作ったデータを大学で開く際にも何の不自由も無い。「MORISAWA PASSPORTを導入する以前は書体の数も限られていたわけで、学生は相当な不便をしていたと思いますよ」と、山本先生は話す。

タイポグラフィの研究者である山本先生は「文字には時代の流行が純粋に現れます。例えばサンセリフは、時代によって全く異なります。そして今でも“次のサンセリフはもう無いのでは?”と思うと、やはりまだ新しいものが出てくる。それだけ、文字の世界は尽きないというわけです」と話す。その尽きることのない文字の世界の中で、基礎となる教養を身につけ、そして文字を使うために必要な引き出しを持つために、多摩美術大学グラフィックデザイン学科の学生たちは今日もタイポグラフィの授業や課題制作に取り組んでいる。

学生のオリジナルフォントの作品。

*Student Packは2013年9月13日をもって販売を終了いたしました。学生の皆様には、MORISAWA PASSPORT アカデミック版をご用意しております。
»MORISAWA PASSPORT アカデミック版についての詳細はこちらから