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デジタルハリウッド株式会社

モリサワの書体は、
受講生が社会に出てからも
使用頻度が高い。

デジタルハリウッド株式会社
  • デジタルハリウッド株式会社 企画開発グループ主任

    西澤 修二 氏

  • デジタルハリウッド東京本校 キャリアカウンセラー

    竹本 竜也 氏

授業がない時間帯でも開放され、多くの受講生たちが課題制作に取り込んだり、グループ 制作のディスカッションに励んだりしているデジタルハリウッドMac 教室。グラフィック デザインの授業で使用されるMac にはMORISAWA PASSPORT が導入され、授業や 課題制作の中で活用されている。その導入の背景について伺った。

管理担当者からも好評なMORISAWA PASSPORT

「マルチメディア社会に向けて、世界に通用するトップ・クリエイターを育成する」という理念のもと、専門スクール、大学、大学院、通信教育、法人研修といった各種教育サービスを展開し、「デジハリ」の愛称で広く知られているデジタルハリウッド株式会社。専門スクールとしての「デジタルハリウッド」には「グラフィックデザイン専攻」という1 年間のコースが設置されており、エディトリアルやグラフィック、さらにWebサイトに至るまで、さまざまなデザインを取り入れたカリキュラムが組まれている。講師はもちろん現役のデザイナーたちであり、ここで高校や大学を出たばかりの若者から社会人経験のある人まで、さまざまな人たちがデザインを学んでいる。

デジタルハリウッド株式会社の企画開発グループ主任・西澤修二氏によれば「デジタルハリウッド全体で1,000 台以上のコンピュータが導入されている」という。グラフィックデザイン専攻の授業で用いられているのは、Power MacG5 以降のMac、そしてMac OS X の組み合わせ。そしてMORISAWA PASSPORT のライセンスは200 以上を有し、OpenType をインストールしている。MORISAWA PASSPORT 導入以前は、当然ながらパッケージでPostScript フォントを購入していた。しかし、Mac200台分以上のフォントをパッケージで所有し、会社の資産として管理する労力はかなりのもの。それが、MORISAWA PASSPORT の導入で大幅に楽になり「資産管理を行う部署の担当者からも好評」と西澤氏は話す。

実制作の現場と同じ環境で教える

東京本校でキャリアカウンセラーを務める竹本竜也氏は、数多くの和文書体が存在する中でモリサワを使用することの意義を「社会に出てからも使用頻度が高いから」と説明する。デジタルハリウッドでは「業界と同じ環境を揃えたい」(西澤氏)という意図がある。産学協同で、現にクリエイティブ産業が求めている、これから必要とする人材を育成するデジタルハリウッドにとって、それは当然のことと言えるかもしれない。

グラフィックデザイン専攻の授業の中で、エディトリアルデザインの際に使われる環境も、現代的なクリエイティブの現場そのものだ。「以前は、Power Mac G5 の中でClassic 環境を使用し、(OS 9 版の)QuarkXPress を使用してエディトリアルの制作を行っていました。2006 年7 月からはOS X ネイティブの環境で、InDesign CS2 を使用しています」と竹本氏。そこで使用されるフォントは、もちろんOpenType だ。

グラフィックデザイン専攻で教える講師陣のひとりである渡辺竜太氏は、自らデザイナーであるからこそ、MORISAWA PASSPORT の登場には驚いたという。
「MORISAWA PASSPORT が出たときの衝撃は大きかったですね。自分だけでなく、周りのデザイナーも皆驚いていました。そして実際に導入してみると、モリサワがこんなにたくさんの書体を出していたのかと、改めて思いました。」

また、デジタルハリウッドではMORISAWA PASSPORT 導入と時を同じくして、NewCID からOpenType への移行もしているが、フォントの構造がシンプルになったことで「フォントの説明がしやすくなった」という感想も抱いているという。

グラフィックデザイン専攻の受講生たちが数名のチームを組んで作製した小冊子たち。内容はクリエイターへのインタビューが中心で、企画から取材・執筆、デザインまですべて自分たちで行う。

たくさんの課題をこなすなかで書体の使い方を習得

たくさんの書体があることはクリエイティブの幅を広げるが、少なくともデザインを学ぶ過程では「まずは基本がわかっていることが大事」と渡辺氏。
「授業の中では当然書体の選び方についても触れていますし、例えばInDesign 上での和文と欧文の混植、かな書体の使い方なども教えています。しかし書体選びやこだわりはその人次第なので、こんなときにはこの書体……というように教えることはできません。話を聞いてある程度わかったとしても、やはり実際に組んでみないことには本当のことはわからないんです。だから最初は、基本のところがきちんとわかっていれば良い。最初からあまりたくさんの書体があっても選ぶのに時間がかかってしまうだけです。実際、自由に書体を選ばせると、デザインフォントばかり選ぶ人が多い。」

そこで重要になるのが、講義や課題として行う制作作業。グラフィックデザイン専攻では、3 ~ 4 人でチームを組んで、クリエイターへのインタビューを掲載した小冊子を制作するという授業も行われている。課題の数も多いので、24 時間開放のMac の教室は、授業が終わった後も多くの受講生が制作に打ち込んでいる。自宅にMac のない受講生も少なからずいて、そんな人たちはおのずとMac 教室を頼りにすることになる。しかし、実際に受講生に話を伺うと「自宅にはMac があるが、入っているフォントが少ないので、もっと数は欲しい」という声も聞かれた。

講師の渡辺氏は次のように話す。「以前から、学生向けのMORISAWA PASSPORT のようなものがあれば……とは思っていました。彼らにとって、どうしてもフォントの価格の高さには抵抗があるんです。」

そういった意味で、「Student Pack*」に対する期待は大きい。「課題のボリュームが大きいので、とても授業の時間では追いつきません。だからMac の教室だけでなく、自宅に持ち帰って作業する人も多いんです」と渡辺氏。そんな「自宅でも作業したい」という受講生のために、デジタルハリウッドでは、受講生向けに「Student Pack*」の販売も行っていく予定だという。

※MORISAWA FONT Student Packは2013年9月13日をもって販売を終了させていただきました。学生の皆様にはMORISAWA PASSPORT アカデミック版をご用意しております。
MORISAWA PASSPORT アカデミック版