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株式会社 ジャパンプリントシステムズ

チラシ制作の現場では、
スピードが命。
環境の統一を含めた関係各社
との密接な連携こそ、
作業の進行をスムーズにさせる
重要なカギとなります。

株式会社 ジャパンプリントシステムズ
  • 第二営業本部 制作部 制作課 課長

    川上 博 氏

  • 第二営業本部 制作部 制作課 主任

    鶴井 鉄朗 氏

新聞の折り込み広告はネットが発達した今も庶民の重要な生活情報源だ。最新の情報を家庭まで直接 届けることができるとあって、各スーパーでは折り込み広告に力を入れている。消費をうながす質の高い デザインが求められる制作現場では、フォントも重要なアイテムのひとつだ。

職人の技術からデジタルへの移行

株式会社ジャパンプリントシステムズは、シールやチラシなどさまざまな形態の印刷を請け負っている会社だ。おもな業務のひとつとして、大手スーパー「ダイエー」の折り込み広告を請け負っている。折り込み広告はさまざまな印刷物の中でも作業行程が特殊だ。何度もクライアントとの折衝を繰り返し、短期間で大量に印刷、配布しなければならず、ささいなミスが大きな結果として跳ね返ってくるために校正にはかなりの慎重さが求められる。

また、チラシ制作は常に時間との戦いでもある。最新の情報をできるかぎり紙面に反映させたいクライアントサイドと、制作時間に余裕を持たせたい制作サイドのせめぎ合いになるという。

過密な作業工程を短縮させるために、ジャパンプリントシステムズがチラシ制作にパソコンを導入し始めたのが、およそ5年前の話だ。職人の手にたよってきた制作現場に初めてPCを導入し、Windows 95上で動作するチラシ制作専用のソフトウェアを利用するところから始まった。しかし、デジタルによる印刷物のレイアウトはある程度の効果をあげることができたが、使いなれてくるごとに、いくつかの不満が生じるようになる。

「専用のソフトウェアを使うことによって、作業スピードを向上させることはできたものの、当時のWindowsでは利用できるフォントがごく限られていたので、フォントの少なさやデザインでの自由度の低さが気にかかりました。」

そこで、強力なデザイン機能にくわえ、豊富なフォント環境をもったマッキントッシュを導入することとなった。デザイン面での制約がなくなり、より質の高いデザインを追求できるようになったと、現場担当の鶴井氏は語ってくれた。
作業現場をマッキントッシュへ移行させたメリットはデザインの質を向上させただけではなく、作業効率の面からも効果が大きかったそうだ。

当時のWindows 95環境下では、TrueTypeフォントを利用していたため、出力の際には、テキストをすべてアウトラインに変換していた。そのため、アウトライン化後に校正が入ると、テキストをふたたびに入力しなおさなければならず、修正に大変な手間と時間がかかっていた。しかし、タイプセッタでの出力が可能な NewCIDフォントを利用できるようになったことで、テキストデータの状態で校正作業をおこなえるようになり、作業効率が格段に向上したという。

問題が解決し、意志の疎通がスムーズに

しかし、OS Xの出現によってシステムに関する新たな問題が再提起された。同社でもG5を搭載したマッキントッシュをいち早く購入するが、当面の間は実際の作業に使われることはなかったという。
「まずは出力などの検証をすることを目的として購入しました。当時は関連会社もふくめてOS 9の環境で統一されていたので、作業連携のことを考えると、弊社だけが最新のシステムを利用するわけにはいきませんでした。」
出力面で問題がないことを確認すると、レイアウト作業で利用するところからはじまった。実際に利用してみると、問題ないどころか、メリットの方が多いことがわかってくる。

「チラシには、丸囲み数字や単位といった外字が多く利用されます。また、地方の支店名などでは、常用漢字ではないものが含まれるケースもあります。そうした場合、従来のOCFでは表示されませんでした。しかし、OTFに切り替えたことで、こうした問題がすべて解決しました。」
現在では、OS XとOS 9のマシンが半々の状態で配備され、チームによって使い分けられているそうだ。OS Xへの移行がことのほかスムーズにおこなえた背景には、デザイン会社などの関連会社が積極的に協力してくれたことが大きかったという。

「デザイン会社の方でも、ちょうどシステムの移行期にあったようです。Mac OS 9を利用したシステムからOS Xへ以降を考えていたところに弊社が新しい環境を提案することで、関連会社でも新システムへの移行が一気に加速した感じです。」

それまで会社ごとに異なっていた環境が統一されるようになったことで、意志の疎通がスムーズにおこなえるようになった。とくにフォント環境では、モリサワパスポートの導入によってデータの互換性が高まり、文字に対する信頼性がより高まったとのことだ。

関係各社との連携が重要なカギとなる

OS Xによるシステムの環境も整い、ノウハウも蓄積されたところで、川上氏は事業に対する今後の目標を次のように語ってくれた。
「まず、現在、半々の割合で配備されている旧システムをすべて最新のOS Xシステムへと移行させることが先決になると思います。マシンのスペックを向上させることで、生産性をより高くすることができるはずです。実用性が確認できた今こそ、設備投資に回す絶好の機会だと思います。また、フォント環境をすべてモリサワパスポートに統一させることで、質の統一をはかることもできます。」

また、Adobe InDesignのスキルをより高め、チラシ制作だけでなく多方面の業務を請け負える体制を整えていく予定だという。
積極的なPDFの活用、高度なカラーマネージメントの設定など、まだまだ課題は多く残されているが、当社がリードしつつも関係会社との歩調をあわせながら確実に進歩させていくことがなにより重要なのだと語ってくれた。

各商品ごとに作成されたレイアウトブロックを最終的に全面レイアウトにはめ込こんでチラシの全体を完成させる。見出しや値段に使われる書体にはとくに指定がある
わけではないが、視認性の良さ、スペース上の問題から、大抵同じものが使われるという。見出しでは、
見出しゴシックや新ゴシックがよく利用され、値段表示には、縦に細いFutura を利用することによって、横幅を抑えている。