「そこにその文字はNGです」禁則処理について

みなさんこんにちは。ヤクモンです。
4月も近づき暖かくなってきた昨今、いかがお過ごしでしょうか。
さて、今回のDTP Lab.のテーマは組版における「禁則処理」についてです。
1.禁則処理とは
まず、禁則処理とはなんでしょうか。
これは書いて字のごとく、組版上「やってはいけない」とされている、文字の並べ方です。
行の始めである「行頭」や行の最後である「行末」に、特定の文字が配置されてしまわないよう、文字の並べ方を調整することを「禁則処理」といいます。
そして、そうした禁則処理の対象となる文字のことを「禁則文字」と言います。
2.行頭禁則
行頭禁則とは「行の頭に置いてはいけない」文字の配置ルールです。
行頭禁則文字の代表格は「。」「、」といった文章の区切りを表す記号や、」】》のような閉じ括弧類です。
また、「っ」「ぁ」「ゃ」のような拗促音についても行頭禁則とすることが多いですが、場合によっては許容されます。
以下の場合、2行目頭の「。」が行頭に来るのは禁則であるため「。」が行頭に来ないよう配置します。

3.行末禁則
行頭禁則の逆で、行末に特定の文字が来ないようにする処理のことです。
「【《 のような起こし括弧類が主な行末禁則です。
起こし括弧類といえば、他と区別したい部分の始まりに使う記号です。行末に来ると、起こし括弧と括弧の内容が離れてしまうので、配置した意味がなくなってしまいます。

4.分割・分離禁止
「代々木」の「々」のような繰り返し文字や英単語など、改行によって分割してはいけない文字があります。
また、文字の中には、「2つ連続して並べて使う」とされている文字があります。
「…(三点リーダー)」がその代表格で、使う場合は必ず2つ続けて「……」のように使います。
この時、1つ目の「…」と2つ目の「…」が分離されないように気をつけましょう。

5.具体的な処理方法
DTPの現場においては、禁則処理の設定をすることでDTPソフトが自動で調整を行ってくれます。
ただし、ソフトの設定で「どの文字が禁則の対象となっているか」を事前に確認し、必要に応じて追加・削除などのカスタマイズを行ってください。

6.文字組版教室のご案内
さて、今回は文字組版の禁則処理についての内容でしたが、より詳しく文字組版について学んでいただける「文字組版の教室」が今年も開催いたします。
■文字組版の教室

・日時:2023年4月21日(金) 13:00~17:00
・内容:文字組版の基礎知識を学べるオンライン講座
・申し込み:受付中(2023年4月12日(水)まで)
■文字組版の教室 InDesign編

・日時:2023年5月26日(金) 13:00~16:00
・内容:「Adobe InDesign」を用いた文字組版の処理方法についてのオンライン講座
・申し込み:4月下旬開始予定
■過去に開催した「文字組版の教室」のレポート記事
・『文字組版の教室』をオンラインで開催しました!
https://www.morisawa.co.jp/blogs/MVP/6434
・文字組版の教室 InDesign編を開催しました
https://www.morisawa.co.jp/blogs/MVP/6990
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