エビデンス
(科学的根拠)
モリサワのUDフォントは、ユーザー評価に基づく読みやすさのエビデンスを取得しています。
UDデジタル教科書体の調査結果
ロービジョン(弱視)
ロービジョン(弱視)者の見え方・見えにくさにはさまざまなものがあり、研究の第一人者 中野泰志教授による比較研究実験では、弱視の多様な見え方をシミュレートした実験に加え、弱視の高校生や成人、教員など200名以上を対象とした実験を実施しました。
その結果、比較した従来の教科書体よりも可読性に優れていることが実証されました。
慶應義塾大学 心理学教室 中野泰志教授
生徒や教員などからエビデンス(科学的根拠)を取得
UDフォント作成の経験豊富なデザイナーの判断に加えて、特別支援教育に携わる教員や拡大写本ボランティアなどのヒアリングに基づいて、デザインの原案を作成し、ロービジョン(弱視)研究の第一人者 中野泰志教授によるユーザー評価に基づき、デザインをスパイラルアップしました。ユーザー評価では、多様な弱視の見え方をシミュレートした実験に始まり、弱視の高校生や成人、教員などに実験や調査を実施。延べ241人から得られたエビデンスを収集。ここではその中から2つの検証結果を紹介します。
1.デジタルデバイス(タブレット)での見やすさの検証
一対比較法で見やすさを尺度化
タブレットの画面に異なるフォントで作成した教科書体の一部を対提示し、どちらがどの程度、見やすいかを評定するシェッフェの一対比較法を用いて、見やすさの尺度を作成しました。15人の弱視者一人ひとりについて、国語と社会の教科書を用いて評価を行った結果、いずれの教科でも「UDデジタル教科書体」が最も見やすい書体であることがわかりました。 なお、ぼやけて見えにくい、まぶしくて見えにくいという弱視者のさまざまな見え方を人工的にシミュレートにする方法を用いて、さまざまな条件で見やすさを検証する実験も実施しました。その結果でも「UDデジタル教科書体」が最も見やすい書体であることがわかりました。特に、まぶしさを感じている弱視者にとって効果的であることがわかりました。
一対比較法を用いた評価画面(縦書き:国語)
教科別の教科書の見やすさの尺度(弱視成人全体の結果)
*数値が大きいほど見やすい事を示す
2.紙に印刷した際の見やすさに関する弱視児や視覚支援学校の教員に対する調査
弱視教育に携わっている教員・専門家65人へのアンケート調査、全国の視覚支援学校に在籍している弱視の高校生42人に対するヒアリング・アンケート調査、全国の視覚支援学校で弱視生徒を担当している教員104人に対するアンケート調査を実施しました。4種類の教科書体で作成した国語と社会のサンプル教科書を見比べ、読書に適しているかどうか順位付けをしてもらった結果、弱視生徒にとっても教員から見ても「弱視児童生徒の読書に最も適した教科書体」は「UDデジタル教科書体」であることがわかりました。
「読書」の際の見やすさ度合い(最高値を100とした比率)
ヒアリング・アンケートに協力した弱視生徒の視力分布
ヒアリングに協力した弱視生徒は、白内障(7人)、黄斑変性症(2人)、網膜色素変性症(2人)、未熟児網膜症(5人)、視神経委縮(4人)などの眼疾患を含む。
ディスレクシア(読み書き障害)
大阪医科大学LDセンター奥村智人氏の研究において、読み書きに困難さがある26人の小学2~6年生を対象に、UDデジタル教科書体を含む4つの教科書体で縦組みと横組みの文章を制作し、一対比較法を用いた主観的読みやすさに関する検討が行われました。
分析の結果、縦横組みともに「UDデジタル教科書体」が、最も読みやすい書体として子ども達に選択されました。(日本眼鏡学会「眼鏡学ジャーナル 第21巻 第2号」に掲載)
大阪医科大学LDセンター奥村智人氏
BIZ UD新ゴ・BIZ UD新丸ゴ・BIZ UD黎ミンについて
BIZ UD新ゴ・BIZ UD新丸ゴ・BIZ UD黎ミンは、慶應義塾大学と共同で行った比較研究でその優位性が検証されたモリサワUDフォントをベースに作成されています。「必ず伝えたい情報」「注意を促したい文言」「さりげなく添えたい文章」など、必要な表現に合わせてフォントを変えることが可能となり、情報の「伝わりやすさ」に大きな差がつきます。数字の多い文書や提案資料、公的文書、各種案内など、より多くの人が目にする文書の作成に最適です。
BIZ UDフォントの調査結果
従来のビジネスフォントの比較調査
協力:株式会社イー・トラックス 様
監修:大阪医科大学 LDセンター 奥村智人 氏・中西誠 氏
全国93カ所の「ハロー!パソコン教室」を対象に、UD書体の比較調査を実施。BIZ UDフォントと標準的なフォントの「読みやすさ」を検証しました。
さまざまな年代の方にとっても、「BIZ UDゴシック」、「BIZ UD明朝」ともに標準的な書体より読みやすい書体として選択されました。
回答者:10代~80代の1603名
※モリサワUD書体は、すべてUD書体のエビデンスを取得していますが、TrueTypeフォント化にあたり、一部デザインを調整しています。