ロジクール アカウントマネージャー リテールセールスリプレゼンタティブ 王偉俊氏
フォントの持つ表現力を活かし
伝わりやすく“響く”資料の作成
ロジクール
アカウントマネージャー
リテールセールスリプレゼンタティブ
王偉俊氏
スタイリッシュで魅力的なデジタルツールを次々と世に送り出しているロジクール社。ブランドイメージを向上させるには、製品だけでなく資料も重要な要素なのだそう。中でも「フォント」は、どのように資料の表現力を変えるのか? 「MORISAWA BIZ+」アドバンス版の各フォントを試してもらい、心に響く資料を作成する秘訣について教えてもらうことにしました。

わかりやすく製品を紹介する
プレゼンテーション資料
機能的かつ高級感のあるマウスやキーボードで知られるロジクール社。世界100ヶ国以上で流通する同社製品において、日本での営業活動を担っているのが王偉俊氏です。
「私の主な取引先は量販店です。キーボードやマウスといった製品をバイヤーのみなさまに紹介したり、部長や役員の方々向けに、将来的なお取引のためのプレゼンテーションを行うこともあります」
製品の販売拡大につなげるための決め手になるのが、プレゼンテーションのためのスライドや、製品を紹介する資料です。バイヤーはベテランの方が多いので、製品の良さはひとめでわかってもらえます。しかし製品の細部や他社製品との違いについては、資料で補足する必要があります。流暢な日本語を操る王氏ですが、日本語が母国語ではないために、正確さや言葉の足りない部分を資料に託す思いもあるのだそう。
資料は営業の「服」
ブランドのイメージを作る
王さんは中国の出身。留学生として来日し、大学院卒業後はソフトバンクに就職し、その後ロジクールに転職しました。初めはマウスとキーボードがメインでしたが、今はロジクールの製品全般を任されています。
前職のソフトバンクの頃から、資料の作成には特に力を入れていたという王氏。特に孫正義氏の資料には学ぶところが大きかったと言います。
「ソフトバンクの決算発表会に代表されるように、孫社長の資料はとてもシンプル。しかし心に響きます。孫社長が話してるから響くというだけではありません。事業内容やいま取り組んでいる課題、この先何をやりたいのか、誰が見ても一目瞭然です」
また、ロジクールのプレゼンツール『スポットライト』のアンバサダーでもある前田鎌利氏の資料作成法も参考にしているとのこと。
「1スライド1メッセージ。強調したい文字は80ポイント以上。13文字以内にまとめる。ポジティブ要素は青にする。といったルールを取り入れています。見た目はシンプルな資料になりますが、実際は考え抜いて手間がかかっているんです」
実際にバイヤー向けのプレゼンテーション資料を見せてもらうと、写真と一文だけが組み合わされたミニマムなデザイン。スライドの枚数も5枚程度です。日本の一般的な企業の資料と比較すると、情報量が少ないように感じられますが、それがグローバルな流れなのだそう。
「資料は、言い方を変えると営業の『服』なんです。どんなに知名度の高いブランドで製品が素晴らしくても、着ている『服』がゴチャゴチャしていたりかっこ悪いと全体の印象や評価は下がります。資料のフレーズやレイアウト、見栄え全体が企業や製品のイメージを変えてしまいます」
王氏の資料はシンプルなデザインながら、写真のクオリティや言葉の選び方に細やかな気遣いが感じられます。また絞り込んだ要素だからこそ、使用するフォントもとても重要になります。

言葉が伝わりやすく
目に入ってくるフォント

これまでは本社で決められたフォントとして、日本語にはメイリオだけを使うようにしてきたという王氏。実際にBIZ UDフォントを使用してみて、その力強さにまず驚いたそうです。
「言葉が目に飛び込んでくるように感じました。特にキーメッセージが力強く伝わりやすくなるように感じられました。また、BIZ UDフォントを使うことで、資料全体のイメージがバランス良く見えてくるように感じられます」
現在多くの企業で標準的に使われているのが、ウィンドウズに付属のメイリオフォントです。これらは画面表示を見やすくすることを目的とした、よりコンピュータらしいフォントと言えます。
一方BIZ UDフォントは、より高精細な印刷物に用いられるためにデザインされ、洗練されてきたという経緯があります。このため活字時代からの歴史を活かした細部の微妙な抑揚や、ユニバーサルデザインの観点、また錯視を踏まえた調整などもより厳密に行われています。
「中国の文字も日本と同じ、漢字です。私もずっと漢字を見て育ってきました。BIZ UDフォントは、角が立ってほしいところは立って、丸くなってほしいところが丸くなっている。だからこのフォントは目に入りやすいのだと思います」
さらに王氏が良いと思った点は、欧文や数字のデザインが統一されていて美しいことだそうです。グローバルな企業らしく、ロジクールの資料には英語の表記も数多く出てきます。これまでは欧文だけ異なるフォントを指定していました。BIZ UDフォントなら、和欧両方を統一したフォントで表現することが可能になります。
プレゼンに求められる
新たな美しさと表現力
「弊社の製品『スポットライト』を使うと、プレゼンスライドの強調したい部分にスポットライトが当たったような効果を演出することができます。強調したい数字や文字にスポットライトを当てたとき、フォントが見やすいとより美しく感じられます。例えていうと、デジタルテレビが4Kに変わったようにクリアに見えてくる。同じ内容でも見た目が違ってきます」
また、「MORISAWA BIZ+」サービスのアドバンス版には、UD新ゴ、UD新ゴ コンデンス、UD黎ミン、UD新丸ゴといった実績あるモリサワUDフォントが5書体。さらにそれぞれに5種類のウエイトが用意されていて、太くて力強い文字表現から、細く繊細なイメージまでを表すことが可能になります。
「たとえば『我々ロジクールはこの先何年で売り上げを何倍にしたい』といった意思表示には、誠実で力強い印象のBIZ UD ゴシックが向いています。でも『この製品は生活に便利ですよ』といった内容であれば、もう少し柔らかく提案をしたい。この場合はUD新丸ゴが向いていますね」

グローバルでの採用に向け
JAPANから働きかける
ロジクールでは、資料作成のレギュレーションを海外のプロジェクトマネージャーが決定しています。全員がフォントを持っているか、統一ができるか、デジタルからパッケージまでさまざまなメディアで使えるのか。といった点を総合的に判断しているとのこと。BIZ UDフォントについては、まずJAPANのスタッフで使って行きながら、見やすくなったことをグローバルに訴える続けることが大切、とのことでした。
「最後に。日本にはいい言葉があります。『神は細部に宿る』。フォントのデザインはまさにそれで、小さい部分の積み重ねですがパッと見たときの印象は大きく変わります。感謝の気持ちを伝えたい場面でも、『ありがとう』『あざす!』『まことにありがとうございます』と、言い方を変えるように、資料の世界だとフォントで伝わり方が変わります。フォントの選択肢が増えることで、製品の伝えたいポイントに合わせてフォントを選ぶことができるようになります。高級感を出したいなら細いフォントを組み合わせた方がおしゃれに見えます。もっとカジュアルな製品の場合には、柔らかいフォントを選ぶことができます。同じゴシック体を使っていても、フォントを変えることで製品の印象まで変わることがわかりました。今回BIZ UDフォントを使ってみて、日本語のフォントの世界は奥深いと感じました」
