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東邦大学医学部 地域連携感染制御学講座 助教 荻原 真二(おぎはら しんじ)氏

ウエイトで強弱をつける
コンデンス書体で無理なく配置する

東邦大学医学部 地域連携感染制御学講座

助教

荻原 真二(おぎはら しんじ)氏

荻原氏は、202011月に開設された東邦大学医学部 地域連携感染制御学講座に所属しています。この講座は東京・大田区との連携で生まれたもので、新型コロナウイルスをはじめとする感染症から大田区民を守るという目標を掲げた国内でも先駆的な官学連携のプロジェクトです。具体的には、(1)区民に対するタイムリーな情報発信(2)区職員と連携した感染症教育・啓発活動(3)大田区産業を生かした新しい感染対策の実践を柱として、大田区職員の中に感染症対策リーダーを育てることを目的として活動しています。その他にも、微生物に関する研究が講座の大きなテーマになっています。

学会発表等に資料の良し悪しは
重要なポイント

現職に就く前、荻原氏は臨床検査技師として、主に病院内の検査に従事し、微生物や遺伝子に係る検査を行っていました。 
「病院では、細菌による院内感染が大きな問題となることがあり、そのメカニズムを解明したり、あるいは予防したりするために検査が重要な役割を果たします。私はその第一線で頑張っていました。 
また、そうした検査と並行して、感染対策やその基礎知識を学び、大学病院で行った研究をもとに学会発表や論文報告をしていく中で、東邦大学との繋がりができて、この講座にお声がけいただきました」 
病院勤務から大学に職場が変わっても、理系の研究、仕事においてはさまざまな発表の場に向けた資料づくりが重要であることに違いはありません。 
「病院勤務時代も学会発表はしていましたし、年に1回ほど部内の勉強会で自分の番が回ってくる際にも資料をつくったりしました。あとは機器を購入するタイミングで、その製品の必要性や重要性をアピールしないといけないので、上司や事務方に対してパワーポイントで資料をつくって提示していました。一方、今仕事をしている大学では、授業を担当しているので、講義の内容を資料化したり、講座の中で研究成果を発表したりします」 

たくさんの色やフォントを使う
我流資料づくりだった

資料づくりで、荻原氏がこだわっているのはどのような点なのでしょうか。
「なるべく相手に伝わるように、きれいに仕上げたいといつも考えてはいたんですが、具体的にどうしていたのかというと、それは自分の勝手な想像みたいなところがありました。
たとえば、赤や青や緑など、たくさんの色を使い、フォントもさまざまなものを組み合わせていました。そういう資料のほうが面白いし、わかりやすいのではないかと、勝手な自信をもってつくっていました」
そうした資料に対して、特に誰からも何も言われることはなかったそうです。指摘がないということは「間違ってはいない」ということだ、というのが当時の荻原氏の理解でした。
では、どんなきっかけがあって、資料づくりに対する変化が生まれてきたのでしょうか。

「これは、病院の中での経験なんですが、菌を染める“グラム染色”という検査を『見せてほしい』と言ってくる先生がときどきいたんですね。この検査はけっこう重要なもので、私としては先生方にできるだけ活用してほしいという気持ちがあって、いろいろな説明をしていたのですが、先生方があまりリピートをしてくれない。 
ということは自分の考えや気持ちがあまり伝わっていないのではないか。この検査の価値を伝えきれていないんだと考えるようになりました。それは、もしかすると話し方だったり資料のつくり方、つまり先生方に対するプレゼンのやり方だったりを間違えているんじゃないかなと自分自身のアプローチを疑うようになったのです。 
そうなると、そこをもっとうまくなりたいという気持ちが自然と出てきて、“プレゼン”というキーワードで検索して、出てきたのが、YouTubeで『ザ・プレゼン大学』というチャンネルを主宰している高橋惠一郎先生でした。モリサワさんともタイアップセミナーをされていましたよね。そこでプレゼンの本質とか、わかりやすい資料の作成法を学んだのが自分にとっては大きな分岐点だったと思います」 

プレゼンの本質を学ぶ中で
フォントの重要性を認識

プレゼンの本質を学ぼうとする前は、フォントについても何も意識していなかったそうです。 
「以前は、正直、ゴシック体と明朝体の区別もできていなかったんです。なんの疑いもなく『こういうものなんだ』と、周りの発表者が使っているフォントや、パワーポイントの初期設定のフォントをそのまま使っていました。それを使っていれば間違いないという気持ちがありました」 
UDフォントは、高橋さんが「ザ・プレゼン大学」で紹介していたことで知ったそうです。それまでモリサワというフォントの会社があることはなんとなく知っていたものの、実際にどういったフォントを提供しているのかまではわかっていませんでした。 
「YouTubeで高橋さんがUDフォントを使っているのを見て、自分の感覚としても見やすいなと思ったんです。それで、無償版を使って学会発表の資料をつくってみました」 

フォントのウエイト(文字の太さ)を
使い分けて、バランスのよい強調を実現

実際にUDフォントを使って資料づくりを進めてみると、気づくことがあったそうです。 
「1つ目が、ウエイトを細かく設定できること。2つ目は、コンデンス書体で横幅を合わせることができる点です。 
医療業界の言葉は画数が比較的多い傾向があります。たとえば、微生物の「微」。それなりに画数があるので、ポイント数を大きくできない場合、そのまま太字にすると、潰れてしまって、見にくくなってしまう。そういう点を、UDフォントで解決できたのかなと思います。UDフォントにはRegularとBoldの間に、Mediumというウエイトがあります。それを使うとBoldほど太くはならず、Regularよりは若干太くなって、さらに他の文字はLightにすることでフォントの大きさを変えずに十分強調できる。おかげで、メリハリのある資料づくりを会得できたと思います」 

コンデンス書体で
カタカナ表記を無理なく配置

横幅を狭くしつつ、視認性・可読性を損なうことなく表示できるコンデンス書体はどのように利用しているのでしょうか。 
「強調して伝えたい内容は図形の中に文字を入れることが多いんですね。とくに四角形の中に文字を入れることが多いです。その場合、これも医療業界あるあるなんですが、ウイルスの名称など、カタカナ表記が長くなる。場合によっては2行になることも。それを、ポイント数を小さくすることで1行にすると、その単語だけが小さく見えてしまって、アンバランスになっていたんです。そんなときに、あらかじめ文字の横幅が80%や60%で設定されているコンデンス書体を使うことで、文字サイズを小さくしたり改行したりする必要もなくなったので、レイアウトを整えるのが容易になり、思い通りの資料作成ができるようになりました。これも非常に重宝しています」 
荻原氏がとあるメーカーから、消毒薬についてレクチャーをしてほしいという依頼を受けたときのこと。コンデンス書体を利用した資料を用意されたそうです。そのとき、荻原氏は自身のパソコンを使って説明するつもりでいたのですが、当日になって、取引先のパソコンでレクチャーをしてほしいと要望されたとか。そのPCには残念ながらUDフォントが入っていなかったのでそのPCのデフォルトのものに置き換わってしまいました。 
「そのときに、メーカーの担当者の方が、『荻原さんのPCで見ていたときのほうがメリハリ感があって、見やすいですね』と言ってくれたんです。やっぱり見てもらえれば、わかってくれるんだなと思いました」 

UDフォントで
資料づくりの効率がよくなった

最近の資料づくりは、UDフォントで統一しているそうです。その理由として荻原氏は、これまでお話しいただいたメリットのほかに、作業効率のよさを挙げています。 
「これまでは日本語はメイリオ、英数字はSegoe UIを使っていたんですが、この2つを併用すると図形の中で文字位置が微妙にずれてしまいます。メイリオだと図形の下側に配置され、Segoe UIだとセンターにちょうどよく収まる。それを細かく調整していました。実はその細かな作業がけっこう手間がかかっていて、でもそういう細かい調整を1つずつしていくと、結果的に全体的にいい資料になるんじゃないかと思いながら進めていたんです。それを日本語も英語もUDフォントにしたところ、その調整がまったく必要なくなりました。非常に作業効率がよくなり、資料づくりが楽になったんです」 
荻原氏の業務は、これまでの検査・研究に加え、大田区民の方々への教育・レクチャーへと裾野が広がっていきます。そうした専門家ではない方々に科学的な知見を伝えていく際に、ますますUDフォントによる資料づくりが重要性を増すことになりそうです。 
医療業界では、重要な学会発表などでも、資料をつくってプレゼンできれば一応は成り立ってしまうので、それでよしとしている先生方も多いとか。荻原氏は、その意識をまず徐々に変えていって、フォントの重要性、なかでもUDフォントのポテンシャルについて理解してもらい、広めていきたいと考えています。 

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