ティアック株式会社 マーケティング本部 デザイナー 朝倉卓也氏
アマチュアからマニアまで
わかりやすく正確な情報を発信
ティアック株式会社
マーケティング本部
デザイナー 朝倉卓也氏
イメージ優先の広告物とは異なり、ニュースリリースはより多くの人にわかりやすく新製品やサービスを告知するためのツールです。ティアック株式会社では、マーケティング本部がニュースリリースを発行。ブランドイメージの向上と、製品の効果的な訴求のために読みやすく伝わりやすい、BIZ UDフォントの活用を検討してもらいました。
スペックだけではなく
「何ができるのか」を表現
デザイナーの朝倉氏が所属するティアック株式会社のマーケティング本部は、ティアック株式会社のコーポレート全体とTEAC(ティアック)、TASCAM(タスカム)等全製品ブランドに責任を持ち、そのブランド戦略やデジタル戦略をリード、実施している部署です。
「現状、ティアックの制作物は内製と外注が半々くらい。いずれの場合も自分がブランドのイメージや制作の方向性などを一元管理することをめざしディレクションしています」
ティアックに入社する前は、フリーランスのデザイナーで、Webサイトやアパレル関係のデザインをしていたという朝倉氏。今はインターネットを使ったコミュニケーションから、写真のディレクション、雑誌広告や販促ツールの作成、イベントやメディアへのニュースリリースの発行などをトータルで提案しているのだそう。
ニュースリリースは、全ブランド統一のフォーマットデザインを用意し、読みやすさや伝わりやすさを追求しています。
「オーディオ製品を作っていると、とかく数字やスペックに陥りがちです。もちろん性能を表すための表記は必要ですが、細かい数値はWebサイトに掲載し、ニュースリリースではなるべく簡潔に、なにができる製品なのか?を、表現して興味を持ってもらえることを意識しています」
とはいえ、今回テーマに提供してもらったデジタルレコーダーの発売リリースにも、素人にはわからない暗号のような数字や用語がいくつもあります。DSD 5.6MHz、PCM…
「DSDは録音方式、 5.6MHzは記録できる音の密度を表しています。オーディオ好きな方には、これまでにない音質で録音できることを示す、大切な要素なので外すことはできません」
読みやすく、誤読をしない
リリース文に最適なフォント
ニュースリリースでは本文だけでなくスペックや機能表記、数字などの要素もできるだけ平易に、伝わりやすくすることが望ましいはずです。リリース文の書体を、BIZ UDフォントに変更したものを見てもらいました。
「カタカナも漢字も、文字の枠をいっぱいに使っているので、文字の中の余白部分がゆったりと感じられ、瞬間的に文字を認識できるスピードが格段に上がる感じがします。流し読みで読めてしまうのはすごいと思いました」
欧文が和文とマッチしている点も、グローバルに展開しやすいと高評価。また、組んだ時の形(ライン)がはっきりしているので、視線が迷わず次の行にうつりやすいと、デザイナーならではの指摘もありました。
「製品のスペックを表記するのに重要な数字も、和文と並んだ際の統一感があります。しかもUDの観点があるおかげで、誤読や誤認識しにくいのはポイントが高いと思います」
具体的には、「1」の上部にある旗のようなところが、しっかり張り出しているので「1」として認識しやすいことや、「.(ピリオド)」「,(カンマ)」が大きめにデザインされていることで、ぱっと見ただけでも判別しやすいという部分を挙げてくれました。
「BIZ UDフォントは、弊社のブランディングイメージ的には少し可愛すぎる印象なので、広告には使いづらいです。しかし、プレスリリースのように、読みやすさや情報の正確さが重視される場面では、積極的に社内にも広め、どんどん使っていきたいですね」